放課後、新聞部を覗きに行った。
風間は窓際で、例の…俺にラブレター書いたあの子と楽しそうに笑ってた。
しばらく眺めてたら、俺に気がついた風間においでおいでされ、彼女と入れ替わりに窓際の席に座る。
「いいの?彼女」
「大丈夫、話は終わったから」
「なんだよ、上手くいってるんだ?付き合ってんの?」
このこのって肩を突っついた。
「まだそこまでは…」と言いながらも、満更でもない様子。
よかったと思う反面、俺にラブレター書いてきたのついこの間だよなとも思う。
「女の子ってたくましいなあ」
風間がハハハと笑った。
「切り替えが早いよね。男のほうが未練がましいっていうか。ストーカーも断然男のが多いしね」
確かに…。
この前のストーカー事件も男だった。
でもよくわからない。
あの男もあの子のこと好きだったんだよな。
あの時も好きで好きで追いかけてきてて。
なのに、ナイフ持ってた。
「可愛さ余って憎さ百倍ってやつじゃない?」
風間はそう言うけど。
間違いなく大好きなのに傷つけてもいいって、どういう事なんだろう。
好きと憎いは実は同じなのかな。
そんなことあるんだろうか。
「ニノはさ、そういう事にならないよ。心配しなくても大丈夫でしょ」
「えぇ?どゆこと??」
「だって相葉ちゃんだよ?ニノにメロメロだもの。ニノがストーカーになるなんてありえないでしょ」
メロメロって、言い方!やめてよね。
風間はニコニコしながら「まぁニノがなんかやらかしたらストーカーされるかもしんないけどねぇ」なんてコワイことを言う。
そうかな。
もしも、まーくんがやっぱり女の子がいいって言ったら…。俺はどうするのかな。
じんわり心が沈む。
「で?なんか話あるんでしょ」
そうだった。
本郷のことを相談するんだった。
話を聞いた風間は「うーん」と頭をかいた。
「まぁ、ちょっと話してみるかな」
「頼むよ、あいつ俺の話なんて聞きゃしないんだもん」
あいつの教室まで行ってはみたんだよ。
けどさぁ、完全無視なうえ、話しかけるなオーラがハンパなくて。
ね?ってお願いする俺にため息をつく風間。
「相葉ちゃん知ってんの?」
「え。えぇと…」
口ごもってると、窓の外から
「ああー!こんなとこにいた!」
首根っこを掴まれた。
ちょっとちょっと、まーくん。
「今日はカテキョだろっ」
いや、ここ窓だから!出られないっての。