「なんだよ、なにやってんだよ!俺のいないとこで、なに勝手に危ない目にあってんのっ」
「え、そんなこと言われても…」
「いっつも気をつけろって言ってんだろ!だいたいさぁ、かずはほんと自分のこと、ぜんっぜんわかってないんだからさあ!なんで自分から危ないとこにつっこんでくかな!?こないだだってさぁ…」
ものすごい勢いでまくし立てられる。
なんで怒られてんの、俺。そんなに責めなくていいじゃんか。
ムッとして身体を起こすと、グチャグチャ言いつのる口を塞ごうと手を伸ばした。
すると抗うように手を出されて、俺は余計ムキになる。
「うっ、わ」
次の瞬間抱きすくめられてた。
骨がきしみそうなくらいの強いつよい力で。
あぁ、まーくんの匂いだ…。
「心臓止まるかと思った」
震える声で囁かれる。
胸の奥がキュッとなって、涙が滲んだ。
自由な方の手を背中に回してしがみつく。
「ごめん、なさい」
やっと言えた。
俺的にはこないだの事も含めてのつもりなんだけど。伝わったかな。
まーくんはわずかに頷いただけで、ただもうぎゅうぎゅうしてくる。
元に戻れたかな。また手を繋いで歩いて行けるよね?
俺はまーくんの匂いに包まれて、猫みたいにおデコをこすりつけた。
大好き…。
外の廊下を母さんが誰かと話しながら、こっちに向かってくるのに気がついた。
「まーくん、まーくん!」
俺は焦って、背中に回した手でたむたむ叩いて知らせたのに、まーくんの腕はいっこうに緩まない。
「うそだろ、ねぇまーくんてば…」
顔をあげて訴えたら、まーくんはこっちを向いて、あろうことかチューしようとしてきた。
「いや、ちがっ、違うって!」
なに勘違いしてんだよ、バカなの!?
滲んだ涙も吹っ飛ぶくらい俺は慌てて、ジタバタしてるのに、ますます力を込めてくる。
「ちょっ…」
その時。部屋に入ってきた母さんと、まーくんの肩越しに目が合った。
「あ」
ぎゃあぁぁと心の中で叫んだ。
*****
……私もぎゃあぁぁと叫んだよ。
今週のニノさん、まさかの録画失敗!
ガーーー(( ̄□ ̄))ーーーン
やっちまったな……
は、はははは、は←絶賛やさぐれ中