「どどど、どした!?その顔」

西畑は「自転車で転んじゃって」と力無く笑ったけど。嘘だろそれ、殴られたようにしかみえないって。

「なんかあったんだろ」

迷ってる西畑をゆっくり促すと、ぽつりぽつりと話し出した。

「僕の幼なじみが、しつこい元カレにつきまとわれて困ってて」
「幼なじみって、校門のとこに立ってた髪の毛が派手な色の…」
「そうです。女子校行ってます」

あぁ、あの子。
あんまし明るい感じはしなかったけど。
こいつの彼女じゃないの?

「幼なじみです。なんかいつも危なかしくて、子供の頃から心配ばっかで。ほっとけないって言うか…」
「好きなんだ?」

西畑はうーんと考え込む。
「好き、だったのかなぁ。そうかもしれない」


中学2年の時、大学生と付き合いだしてから様子が変わっていった。
元々ちょっと感情的で友達も少なかったからか、あっという間にのめり込んでいって。
派手にはなるし、学校にも来なくなるし。
気が気じゃなかった…。

「でもそいつ、とんでもないDV男だったんです。よく痣作ってたし。結局学校にも親にもバレて、別れさせられました。高校は私立の女子校に入れられたけど、休みがちみたいで」

高校に入ってからはほとんど会ってなかったのに最近連絡が来るようになり、
「元カレに付きまとわれてるって」
「じゃあ、その傷はそいつに殴られたわけ?」
「ええ、まぁ。成り行きで」


さすがにヤバいんじゃない?って言ってみたけど、警察沙汰はちょっと…って困った顔。
痛々しい眼の周りを避けて、おデコをそっと撫でてあげた。西畑は気持ちよさそうにじっとしてる。ほんとワンコみたい。
「ほっとけないんだ?」
「それもあるけど…僕、ずっと後悔してることがあって」
そう言った西畑は唇を噛んで俯いた。













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Voyage2見ました。
ネタバレはしないよ。
けど、にのちゃんの存在感!
場をなごませたり、潤くんを安心させたり。

それと、にのちゃんが腕時計?してるとこに妙に萌えた…(≧ω≦)