2年生になってから、また同じクラスになった松潤とお昼を食べてる。
グダグダ喋りながら、お弁当箱を開けると、最近は入ってなかった甘い人参がちょこんと存在を主張してた。
「げ」
俺は無意識にそれを箸で、ほいっと向かいのお弁当箱にのせた。
「人参嫌いなんだ?」
笑いを含んだ松潤の声にハッとする。
ヤバい。いつもの癖でやっちゃった。
まーくんと間違えたのが恥ずかしくて、ごめんごめんって赤くなる。
松潤はひょいと人参を口に入れて、美味しいのにと笑った。

しばらく食べてたら、松潤が「あのさ」って箸を置いた。

「春休みにやってた勉強会、もうやってないのかな」

いやいや、勉強会じゃなくてまーくんのカテキョなんだけどね。いつの間にか勉強会になってるし。いいんだけどさぁ。

「やってるよ。今は訳あってしょうちゃんちでやってんの」
「しょうちゃんち?しょうちゃんって」
「あ、櫻井さんね」

もうめんどくさくて、しょうちゃんって呼んじゃってる。
松潤は驚いて椅子をガタつかせた。

「松潤も来る?」
「え、いや…それは」
「松潤ならしょうちゃんも喜ぶんじゃない?」

え。うそ。なんか、松潤赤くなってるし。
でもでも言ってる肩をたたいて、次のカテキョの日を約束させた。ほんとは俺が決めることじゃないんだけどね。
…可愛い。かわいいぞ、松潤!

「潤くん!」

松潤は大きな目をより大きくして俺を見た。
「これから潤くんって呼ぶ!」
「なんでだよ!?」
「いいの、いいの!」
戸惑ってる潤くんに、ニッコリしといた。
んふふふ。

そこに、購買部のパンを持って生田が現れた。
「おまえ、まだそんなに食べんのかよ。3時間目に早弁してただろ」
潤くんが呆れ顔で、机の上に場所を作ってやる。
「今俺、バスケ部のお助け部員やってるから腹が空くの!」
そうか、そんなことしてるから、俺の仕事が増えて忙しくなるんじゃん。

ひとしきりパンを詰め込んでから、生田が俺に話しかけてきた。

「なぁ、1年の西畑って彼女いるってほんと?」

俺はまじまじ生田の顔を見つめた。
頭の中、この前のセーラー服の女子高生の姿がよぎった。
















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あ、またまーくんがいない……(笑)