そのまま、まーくん家まで連行される。
部屋に入ると、既にしょうちゃんが座っていて、俺を見るとニッコリした。
「お〜、にのちゃんおかえりぃ!」
だからさぁ、しょうちゃんはまーくんの先生でしょ?俺、1円だって払ってないよ?
しょうちゃんは俺を引き寄せると
「生徒会入ってくれたんだって?よ〜しよし」
そう言って頭を撫でてくれた。
俺はワンコか。
でもあったかい手が気持ちよくて、口では「別に…」って言いながら、おとなしく撫でられた。
「ちょっと!なに懐いてんの!」
ダメだめだめと、まーくんが俺を背中に隠す。
しょうちゃんは「心が狭いねぇ」とニヤニヤ呆れ顔だ。
まーくんが数学の問題と格闘してる間、俺はベッドに肘をついて、参考書という名の漫画をこっそり読んでた。
「にのちゃん」
背中越しに低い声で話しかけられてビクッとした。振り返ると、しょうちゃんがコーヒー持ったまま、俺の顔を覗き込んでくる。
「うまくいってる?」
「え…え?」
なにが?って言おうとしてやめた。しょうちゃんには、まーくんとチューしてるとこ見られちゃってるし。面白がられるのが嫌で、黙って赤くなってると。
「うんうん。それならいいんだけどさ」
また頭をなでなでされた。からかわれるのかと身構えたところに、
「なんかさ、あいつ余裕がねぇんだよな…」
って、眉を下げて心配そうにつぶやくから、
「しょうちゃん」
って、つい呼んでしまった。
しょうちゃんはちょっと目を見開いてから、優しい笑顔になった。
「にのちゃんはほんと…、マジでヤバいな」
「???なにが?」
きょとんとして返事を待ってると、
「もおぉぉぉ!なんだよ!!こっちは真面目に勉強してんのに、なに2人でコソコソしてるわけ!?」
しかも漫画読んでるし!って、まーくんに超怒られた。
捕まらないように、しょうちゃんの後ろに逃げ込む。しょうちゃんは、まぁまぁとかばってくれながら、更に眉を下げた。
「実は、にのちゃんにお願いがあるんだよね」
言っていいのかなぁと、困り顔でまーくんを見上げてる。俺たちは1度目を合わせて、同時にしょうちゃんを見た。
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にのちゃん…。゚( ゚இωஇ゚)゚。
やっとカメラ見て笑ってくれたよおぉぉぉ!
大阪お疲れ様でした。
コンサート終わりの動画で、ずっと目をそらしてたから…。2日目に、まーくんの肩に甘えながら、ぴょこぴょこ笑ってくれて、ついに最終日!カメラに向かって手を振ってくれた!!
もうそれだけでいいよぉぉぉ。゚(゚´Д`゚)゚。
今日ほどファンクラブ会員でよかったと思ったことないかも。←こないだブツブツ言っちゃってたけど、やっぱり会員ならではってのも欲しいじゃない?