※この記事は2023年夏を振り返って書いています。
その次の週末、私も夫に付き添って病院へ行きました。
主治医の先生は、どこか熊のような風貌の方。
医師「腎臓におできができています。大きさは5センチほど。通常なら部分切除も考えますが、場所が下大静脈のすぐ近くで、そこに入り込んでいる可能性もあるため、全摘出を行います。これは、どこの病院でも同じ判断になると思います」
私「それは…癌ということなのでしょうか?」
医師「現時点でははっきりとは言えません。切除したものを病理検査にかけてみないと診断できないのです」
私「でも、いただいた資料には“悪性のケースがほとんど”と書かれていましたが」
医師「そうですね……」
言葉を濁す先生に、もっとはっきり答えてほしいと、少しイライラしてしまいました。
その後は淡々と手術の同意書を渡され、「後でサインしてください」とだけ言われて終了。先生はずっとパソコンの画面を見ていて、こちらの顔を見ることもありませんでした。
「本当にこれで大丈夫なのだろうか」――そんな不安が胸に残りました。