私が読書好きって言うと、
イメージが先立って、大抵驚かれた。
今は大人になってそんなこともなくなったけど、

読書と私
私と読書

と言うのがどうも結びつかない人も中にはいたらしい。
ついでに言うと、
私は非常に根暗です。
根暗と言うと語弊があるのだけど、
ポジティブな孤独感をこよなく愛する、
いわば1人でいることに
苦痛を覚えるどころか、
1人きり何日も篭り、読書にふけったり
映画鑑賞にふけったり、体がなまったら
そのまま走りに行って汗をかく、

理想ですね、そー言う毎日。
それが年中暖かい気候で、
海風が吹き込むどこかの島なら
尚良いですね。

話は逸れましたが
私が読書を始めたのは15歳でした。

1985年。
日本がバブル期に入る直前、
父親の仕事の関係で
私は父と2人でSydneyへ移住しました。

上も下も、右も左もわからない。
もちろん今のように便利ツールはない時代で
日本の本が読めるのは、
船便でやって来る日本書店においてある
2ヶ月ほど遅れてやってくるごく限られたものだけでした。
当時、1ドル170円だったものが
やく10ドル。1700円近くの値段を出して2ヶ月遅れの月刊マーガレットを読むことが
とても贅沢なことでした。

隅から隅まで、広告の端から端まで
そして何度も何度も穴が開くまで読んでいたけど、
限界があります。

その時、オーストラリア人の父の友人の奥様がたまたま日本人で、その方のお宅へお邪魔した時に本棚にずらりと並んだ日本語に感激し、
活字に飢えていた私はその中の一冊を手に取り、
借りて帰ることにしました。

15歳。
それまで勉強大嫌い知識も教養もない私が
読書に目覚めたのです。
忘れもしない、
三浦綾子さんの氷点と言う題名の本です。