フラワーギフト入門 旬の花
野山の花は季節に合わせて咲きますが、花屋さんの花は、少し違うところもあります。
花屋さんの花は、花農家の生産する「農作物」だということ。
スーパーや青果店で売っている「野菜」と同じように考えると分かりやすいかもしれません。野菜売り場には、「1年中ある野菜」と「旬にしかない野菜」があります。昔は野菜のほとんどが露地栽培だったので、旬の野菜と、貯蔵できる根菜類しか手に入りませんでした。が、今では(ウス栽培が当たり前になり、旬ではない季節にも出荷ができるようになりました。本来の旬とはずれた時期に実る品種も開発されています。また、南北に長い日本列島では、桜前線に2ヵ月の違いが生まれるほど、地域によって季節がずれます。そんなさまざまな地域で栽培することで、同じ作物も長い期間にわたって供給ができます。
同じことが、花にも言えます。現在では、バラ、カーネーション、菊などといったよく聞く花たちは、季節を問わず手に入るようになりました。
でも、たとえば桃や花菖蒲の花のように、旬にしか手に入らない花もあります。数で言うと、旬にしか出回らない花のほうがはるかに多いのです。だから、「花屋さんに行けば、いつでも何でも希望の花がある」わけではないのです。
それにもうひとつ、野の花とは違う注意点があります。
メロンやスイカは、お店では4月くらいから売っていますね。でも本来の時期は夏休
み頃。つまり3ヵ月くらい早く出荷されています。
花でもまったく同じことが起きています。
チューリップは本来、入学式の頃に咲く花。でも、花屋さんでは年末からチューリップの出荷が始まり、1~2月が「旬」です。そして、最も遅くて3月まで。花屋さんでは「冬の花」なのです(今後出荷時期が広がる可能性はあります)。
では、筍はどうでしょうか。筍は、温室で栽培できません。竹林から、その年の春の芽吹きにあわせて刈り取ります。だから出荷される時期はその年の気候でずれが生じますし、もともとの野山で芽吹く時期だけです。花も、種類によって同じことが言えます。
露地栽培している花なら、野で咲く時期と同じ時期に出荷されることになります。
花の種類や栽培方法によって、あなたが知っている「屋外で自然に咲く季節」と「花屋さんで売っている季節」には、かなりのずれが出ることが多いのです。