The Pendulum Vibe(EMI) 94
ダラス・オ-スチンの秘蔵っ子、ジョイのデビュ-作。ベティ・デイヴィスばりの激しさから神秘的な崇高さまで、多面的な個性を備えた逸材で、ダラスの思い切ったプロデュ-スがそれを生かす。全然ポップじゃないが聴きごたえのある怪作だ。冒頭の2曲StandとFreedomが合体した曲が、翌95年にダラスが大きく関わった「Panther」のサントラで大がかりにリメイクされたことからも、ダラスのジョイへの気の入れようがわかる。尚、フィッシュボ-ンが半分程バックを務めた傑作セカンドが96年夏に完成したが、ジョイの妊娠、EMIの社長交代劇や閉鎖のゴタゴタにより未だ陽の目を見ず。したがってその後ジョイ名義で発表されたのは、サントラ「Fled」収録の1曲だけだ。
Wild Seed-Wild Flower(Columbia) 94
Tennesseeをはじめ、アレステッド・ディヴェロップメント(AD)で準メンバ-として歌っていたディオンヌだが、はやくも93年にはADを脱退、心機一転でリリ-スしたのがこのソロ・アルバムだ。そして、ロック色の強いI Knowが全米ポップ・チャ-トで4位を記録する大ヒットになったわけだが、実際に複数の曲では共同制作を受け持ったのはディヴィット・ライアン・ハリスだった。ハリスは、アトランタを根城としたブラック・ロック・バンド、フォロ-・フォ-・ナウの元ギタリストで、97年にソロ作もリリ-スしている。そのほか、レニ-・クラヴィッツ作曲によるStop To Thingなどもあり、典型的なR&Bを離れた部分で光るディオンヌの個性がよくわかるアルバムだ。
Tennesseeをはじめ、アレステッド・ディヴェロップメント(AD)で準メンバ-として歌っていたディオンヌだが、はやくも93年にはADを脱退、心機一転でリリ-スしたのがこのソロ・アルバムだ。そして、ロック色の強いI Knowが全米ポップ・チャ-トで4位を記録する大ヒットになったわけだが、実際に複数の曲では共同制作を受け持ったのはディヴィット・ライアン・ハリスだった。ハリスは、アトランタを根城としたブラック・ロック・バンド、フォロ-・フォ-・ナウの元ギタリストで、97年にソロ作もリリ-スしている。そのほか、レニ-・クラヴィッツ作曲によるStop To Thingなどもあり、典型的なR&Bを離れた部分で光るディオンヌの個性がよくわかるアルバムだ。
Wishing From The Top(Wanner Bros) 96
役者をやっていたが、戦略的にポエトリ-・リ-ディングをやるようになったという、在NY美貌の女性。当然、周りを固める人たちが重要になってくるが、なかなか絶妙な人選。制作者は、ブレンダン・リンチ(ポ-ル・ウェラ-、カ-リ-ン、アンダ-スン)、スピ-チ、マ-ク・ネルソン(元ヤング・ティサイプルズ)、P.M.ド-ン。自然にはみ出せる腕利きの含みのあるバッキングに、ときにシアトリカルに、ときに舌足らずに彼女は言葉をのせていく。その内容については読解力不足の私にはよく解らない(それは彼女に限らず、この手のもの全てそうなの)が、黒人女性としての胸を張った自我はありますね。無理なく聞ける言葉が主役の機知ある音楽。96年発表。発売が早すぎたか。
役者をやっていたが、戦略的にポエトリ-・リ-ディングをやるようになったという、在NY美貌の女性。当然、周りを固める人たちが重要になってくるが、なかなか絶妙な人選。制作者は、ブレンダン・リンチ(ポ-ル・ウェラ-、カ-リ-ン、アンダ-スン)、スピ-チ、マ-ク・ネルソン(元ヤング・ティサイプルズ)、P.M.ド-ン。自然にはみ出せる腕利きの含みのあるバッキングに、ときにシアトリカルに、ときに舌足らずに彼女は言葉をのせていく。その内容については読解力不足の私にはよく解らない(それは彼女に限らず、この手のもの全てそうなの)が、黒人女性としての胸を張った自我はありますね。無理なく聞ける言葉が主役の機知ある音楽。96年発表。発売が早すぎたか。
Head First(A&M) 95
ヴァ-ティカル・ホ-ルドは、デイヴィット・ブライドとウィリ-・ブル-ノの男性2人のチ-ムに、シ-クエンスの活動を後にしたアンジ-・スト-ンが加わる形で始動したユニット。本作はA Matter Of Time(93)に続くセカンドで、セルフ・プロデュ-ス曲がメインのファ-スト以上に外部制作者を大幅動員。どこかUKソウル的なク-ル・ム-ドを持つ彼等の資質にヒップホップ・ソウル的なハネ感を加えた好R&B集となった。Hard Firstを筆頭に、キャラクタ-ズ制作のLove Today、シャンティ・サヴェ-ジがバックで歌うS・ハ-リ-ら絡みのSpend Some TimeやWell I Guess Youなど、ソロとなった現在も黒いツヤ光を放つアンジ-の歌声をメインに据え、煌くようなア-バン・サウンドに乗せて、しなやかにスム-ズに展開していく様は、当時のUSのR&B作品にはちょっとない個性でもあった(それがゆえに注目を浴びなかった?)。ラストを飾るPrayは、後にアンジ-との間に一子を儲けるディアンジェロが生ピアノ&ヴォ-カルで客演した静寂なバラ-ド。ネオ・クラシック。ソウルの先鞭をつけていたとも取れる興味深い作品だ。
ヴァ-ティカル・ホ-ルドは、デイヴィット・ブライドとウィリ-・ブル-ノの男性2人のチ-ムに、シ-クエンスの活動を後にしたアンジ-・スト-ンが加わる形で始動したユニット。本作はA Matter Of Time(93)に続くセカンドで、セルフ・プロデュ-ス曲がメインのファ-スト以上に外部制作者を大幅動員。どこかUKソウル的なク-ル・ム-ドを持つ彼等の資質にヒップホップ・ソウル的なハネ感を加えた好R&B集となった。Hard Firstを筆頭に、キャラクタ-ズ制作のLove Today、シャンティ・サヴェ-ジがバックで歌うS・ハ-リ-ら絡みのSpend Some TimeやWell I Guess Youなど、ソロとなった現在も黒いツヤ光を放つアンジ-の歌声をメインに据え、煌くようなア-バン・サウンドに乗せて、しなやかにスム-ズに展開していく様は、当時のUSのR&B作品にはちょっとない個性でもあった(それがゆえに注目を浴びなかった?)。ラストを飾るPrayは、後にアンジ-との間に一子を儲けるディアンジェロが生ピアノ&ヴォ-カルで客演した静寂なバラ-ド。ネオ・クラシック。ソウルの先鞭をつけていたとも取れる興味深い作品だ。
Words(LaFace) 96
デトロイト出身ながらダラス・オ-スティンとの出会いをきっかけにしてペブルスに曲提供。そこからラフェイス・ファミリ-との仕事が膨らんでいった。ボ-イズⅡメン、ア・フュ-・グット・メン、4.0などを手掛け、そしてこのアルバムが彼の初リ-ダ-作となった。プロジェクトを名乗るが、ほとんどの楽器もトニ-自身がこなし、実質的はソロ・アルバムで、アルバム・タイトル通りに歌詞をじっくり聴かせる内省的な表現が多い。等身大の歌詞を決して力むことなく歌い、Hey Blueからベイビ-・フェイスやプリンスを思わせる。実際、ジョン・ガスのミックスによるサウンドの質感はベイビ-・フェイスに近い。大ヒットしたNobody Knowsのように、アコ-スティックでメロウな感触を持ったシンガ-・ソングライタ-的な要素が彼の最大の持ち味ながら、Grass Is GreenやGhostで聴かれるブル-ジ-な感覚にも独自のものがある。アルバムとしてのメリハリを考えると、このへんの感情表現をもっと前面に出しても良かったと思うが、全10曲というコンパクトな作りゆえ、アルバムとしてのト-タリティは高い。
OST/Fled(96)に収録されたHighwayはビ-トが重ためのちょっと凝った曲
デトロイト出身ながらダラス・オ-スティンとの出会いをきっかけにしてペブルスに曲提供。そこからラフェイス・ファミリ-との仕事が膨らんでいった。ボ-イズⅡメン、ア・フュ-・グット・メン、4.0などを手掛け、そしてこのアルバムが彼の初リ-ダ-作となった。プロジェクトを名乗るが、ほとんどの楽器もトニ-自身がこなし、実質的はソロ・アルバムで、アルバム・タイトル通りに歌詞をじっくり聴かせる内省的な表現が多い。等身大の歌詞を決して力むことなく歌い、Hey Blueからベイビ-・フェイスやプリンスを思わせる。実際、ジョン・ガスのミックスによるサウンドの質感はベイビ-・フェイスに近い。大ヒットしたNobody Knowsのように、アコ-スティックでメロウな感触を持ったシンガ-・ソングライタ-的な要素が彼の最大の持ち味ながら、Grass Is GreenやGhostで聴かれるブル-ジ-な感覚にも独自のものがある。アルバムとしてのメリハリを考えると、このへんの感情表現をもっと前面に出しても良かったと思うが、全10曲というコンパクトな作りゆえ、アルバムとしてのト-タリティは高い。
OST/Fled(96)に収録されたHighwayはビ-トが重ためのちょっと凝った曲
