去年の5月8日。わたしは2年目研修医として京都の洛和会音羽病院に勤務していました。音羽病院は研修医に人気のある病院で、選抜試験も三倍ほどの倍率です。わたしは総合診療科を目指して、長野から京都まで出てきたのです。わたしは1ヶ月後にNHKのドクターGという全国区の番組の収録を控えていました。
研修医が出演して、全国の有名な総合診療医が悩んだ症例の診断名を当てるという番組です。
わたしは、総合診療科志望だったこと、尊敬する先生が以前にドクターG役でその番組に出ていたことから、同じ番組に出られることがすごく嬉しかった。寝る間も惜しんで勉強を続けていました。
収録は6月の予定でした。
そして5月8日。わたしが帰ろうとしていると、同期のレイヤがわたしに声をかけてきました。「瑞季、ごめん、今日からみんなでやろうって言ってた1年目研修医の当直を見守るボランティアなんだけど、急に予定入っちゃって、今日だけ変わってもらえないかな❓」特に予定がなかったわたしは、いいよ、と軽く引き受けました。この一言がわたしの人生を左右することになるとは思いもせずに。