かたちある 物の滅びの 自明なるを 幼き日々の 暮らしに学ぶ 



空襲に 礎のみが 残りたる 屋敷の畑の 白き胡麻の花
 


ただ一つ 焼け残りたる 蔵の内に 幼き吾と 父母はらからと



空襲に 蔵のみ残る 屋敷内 松の山あり 竹薮もありき



庭隅の 木陰に床机 持ち出して 書を読む日々に 戻るすべなし