春のある日、お風呂場に蜘蛛が3匹入ってきた。1cm弱の茶色いやつ。
天井付近にいるので外にだそうにも手が届かず、さして実害があるわけでもないし放置していた。
しばらくたって、蜘蛛は1匹どっか行き、1匹は天井の隅に上手く巣を張り、1匹は未だ天井と壁を行ったり来たりしていた。
最後の行ったり来たりの蜘蛛は、時に天井から糸でつつーっとおりてきて、突然私の目の前に現れるというドッキリをかましてくれたり、
お風呂の浴槽(普段は使わない)に命綱なしで降りてつるつるの壁を登っては滑り落ちるを繰り返していたりしていた。
1~2週間たった頃だろうか、時間が経つと、小型の蜘蛛たちでも少しは大きくなってきた。といっても2~3㎜位ずつ。
天井に巣を張っていた奴は何を餌にしているのかわからないが、残ったもう一匹より大きくなっている。
浴槽にはまり込んでいた方は、なんとか自力で脱出したようでまた天井付近をうろついていた。
私が蜘蛛のいる生活になれてきたころ。
天井に巣を張っていた蜘蛛の糸に、何かがかかっている。糸でぐるぐる巻きにされた丸い何か。ついに餌を見つけたのか。
いつもうろついていた方は、今日はみかけない。
次の日、お風呂場へ行くと蜘蛛の巣の真下の床に、くの字形の小さなカスのようなものが7本くらい落ちていた。
巣の主の蜘蛛は、昨日よりまた大きくなっている気がした。
私は、シャワーを手に取り水圧を最大にして最後に残った蜘蛛の巣に向ける。
巣が壊れ、蜘蛛が慌てて逃げようとする。シャワーの水は蜘蛛をねらう。
やがて床に落ちじたばた脚を動かす蜘蛛は、
捕獲された餌やくの字形のカスと一緒に排水溝まで流れていった。
