買うには理由がある。売れないにも理由がある。
よく聞く話です。
売り上げが落ちてきたからフリーペーパーやクーポンを発行して安売りに走った。
当然利益は圧縮するので売上は多少上がったが、利益は全然伸びなかった。
逆にフリーペーパーの掲載を止めた途端売上が激減、逆に苦しくなったという話をよく聞きます。
安易な方法で売上を上げたとしても根本的な原因解決にはなっていないので、いつまでたっても自転車操業になる。
これは、短絡的に「売上を上げる」ことに注力し「続けること」が疎かになっていることが根本原因であると言えます。
消費者の購入プロセスを表す言葉としてAIDMAの法則というのがある。
Attention(注意)
Interest(関心)
Desire(欲求)
Memory・Motive(記憶・動機)
Action(行動)
この頭文字を取って表している言葉であるが、これだけだとなんのこっちゃ分からない。
このAIDMAの法則を使って売れない理由を解説してみます。
Attention(注意)→店の存在を知らない
Interest(関心)→店の存在は知っているが興味がない
Desire(欲求)→商品に興味があるが欲しいと思わない
Memory・Motive(記憶・動機)→欲しいと思うが買う動機がない
Action(行動)→買いたいが買えない理由がある。もしくは買う機会がない
こういう風にお客様は段階を踏んで購入プロセスを辿っていきます。
と、言う事はそのお客様の行動を分析して、買わない理由(売れない理由)を潰していけばいいのです。
お店の環境や職種により色々違うところがありますが、少し例を述べてみますね。
Attention(注意)→店の存在を知らない
まずは、お客様の来店がそもそも少ない場合。これはとにもかくにもお客様に店の存在を知ってもらう事が重要です。
出来たばかりの店の場合はやはりここでつまずきます。
これには、フリーペーパーは大きな効果を発揮します。ただし出来たばかりのお店の場合広告コストは馬鹿になりませんので注意が必要です。
安く済まそうとすれば店前に大きな看板を出す。近くの駅でチラシを配るなど。
とにかく店に注目してもらうための方策を打ちます。
Interest(関心)→店の存在は知っているが興味がない
次に、興味を持ってもらう。
お店の知名度は少しずつ上がって来たが、それでも来店が少ないとか、お客様は来るが何も買ってくれずに帰ってしまう。等の場合は商品に興味がない場合が多いです。
これは飲食店とか小売店、サービス業、それぞれやり方は多少違いますが、自分のお店で取り扱う商品の良さをアピールしたチラシや看板を活用する方法になります。
また、店内POP等も有効に活用しプロモーションを打っていく必要があります。
何もアクションせずにお客様は商品を購入することはありません。
当然有名な商品であれば何もせずとも売れる場合もありますが、その有名な商品でも「そのお店に売っていることを知らない」場合は当然売れません。
そういった品揃えを行った場合は必ず「~入荷しました!」のような告知を行うようにしましょう。
Desire(欲求)→商品に興味があるが欲しいと思わない
例えば「アロマオイル入荷しました!」の看板と「気持ちよく眠りに誘ってくれる香りのアロマオイル入荷しました!」の看板とで、どっちが欲しいと思いますか?
欲しくなる動機付けをちゃんと行っていますでしょうか。また、欲しくなるセールスワードを使用していますでしょうか。
食材などを取り扱う場合は、その食材を使ったメニューであるとか、効果効能のある商品を取り扱う場合は、そのメリットであるとか予防医学的な資料を同時に配るとかをすればいいです。
人が一番興味あるのは「自分」にどんなメリットがあるかです。満足感をイメージできるかどうかです。その部分を推すテクニックが必要です。
Memory・Motive(記憶・動機)→欲しいと思うが買う動機がない
次にその商品に興味があっても、買う動機にはなりません。
皆さんは欲しいと思ったらすぐ買いますか?余程の金持ちでないと欲しい即買いの行動にはなりません。
人間誰しも理性が働きます。
必ず欲しいなぁ~…でも勿体ないなぁ~とか、今度買おうとか、様々な買わない理由を見つけてその場を過ぎます。
そこで必要なのはお客様に買う動機を与えてあげることです。
動機付けは色々あります。
例えば良く使う手法で「数量限定」「次回入荷日は××」「記念日」「イベント」「タイムセール」「今肩こりが良くなる」「こういう効果があります」「あの有名人も買っている」「寒い日には鍋」等様々なジャンルで理由づけを行うのです。
Action(行動)→買いたいが買えない理由がある。もしくは買う機会がない
最後に買いたいと思っていても買えない理由を潰す必要があります。
一番多いのがお金を今持っていない。商品が大きいので持って帰れない。重い。買いたいがそのお店に入りずらい等になります。
これらの理由が分かればそれぞれ対応策というものは自然と分かってきますね。
こういった購入プロセスを一つ一つ分析し、ひとつひとつ潰していくことにより増客増収が出来てくるのです。
まずは分析をきちんとやる。そのうえで闇雲に対策を打つのではなく、一つ一つやりながらその結果を分析し次の対策を打っていく。すなわちPDCAサイクルを続けていくことが必要なのです。