美輪明宏版「黒蜥蜴」に思うこと☆彡

ヒーリングアートブログランキングへ
心が動く。魂の癒しと気づき。本来の自分へ戻る絵、描いてます

★HPリニューアル（2015.7/25）しました(#^.^#)♪こちら♡
★神様の絵★複製版画A6サイズ（ハガキ大）＆B４作りました♪こちら♡

何度か美輪明宏版「黒蜥蜴」を観劇し、
やっとこさ気付いたことを・・・(´∀｀)

美輪明宏版「黒蜥蜴」は
原作江戸川乱歩
脚本三島由紀夫
主演美輪明宏
の舞台劇です(〃∇〃)

女盗賊「緑川夫人こと黒蜥蜴」と
名探偵明智小五郎の攻防戦
・・・いえいえ
この場合の攻防戦とは
「愛のぶつかり合い」なのです

黒蜥蜴に拾われた美青年「雨宮」

人生に打ちひしがれて自死しようとしていたところ
黒蜥蜴に出会ったことで
狂おしいほどの恋に落ちてしまいました

ところがこの青年は
どうにも不器用で盗賊黒蜥蜴の仕事をフォローするには
黒蜥蜴に惚れすぎていたようです

そして黒蜥蜴が狙う
「最大級のダイヤモンド・エジプトの星」と
そのダイヤモンドを扱う大宝石商の一人娘早苗さん

早苗さんは若くてとても美しい深層の令嬢なのです(＾ε＾)

そんな早苗さんを黒蜥蜴から守るために雇われた
名探偵明智小五郎(・∀・)

明晰な分析力で見事な守りに徹するのですが
ところが・・・？

黒蜥蜴は美しいものが大好き

特に宝石の美しさには目が無いのです(´∀｀)

それというのも
「宝石のこの冷たい美しさ、輝きは決して裏切らない。
人は平気で人を裏切るのに。」

「私はこの冷たい輝きの心を持つ女。
もし私の心に入り込む男性が現れたら
私は生きてはいけない。
その人を殺すか私が死ぬかどっちかなの。」

「だって私の心には誰も入ることができない。
それなのに入ってきてしまう人がいたとしたら・・・」

「そんなことは絶対に許せない。
私の「美しさ」は崩壊してしまうから。」

明智小五郎は犯罪に恋する切れ者

美しさや麗しさのない最近の犯罪に
少々辟易しているところ
時代がかった美しくも滑稽でもある黒蜥蜴の犯罪に
ギュッと心が魅かれるのです

それでも探偵と盗賊という関係は非常なもので
明智小五郎の愛の表現も
「相手を追い詰め」「隙を与えず」
「お互い手も握らずに
とことん相手をぎりぎりまで追い込む」のだと・・・。

お互いの手も握らないのに一方で強烈に惹かれあう
追うものと追われるものとして・・・

相思相愛なのに、この悲しさ・・・
美しすぎる宝石のような愛の形

お互いが一番の理解者であり
お互いが一番惹かれあう間柄

それなのに・・・いえ、それだからこそ
触れ合ってはいけないものがあるのだ・・・

お互いの美意識が
決して触れ合う事を許さない

触れ合わなくても究極に理解しあえ
愛し合っているのだと・・・

雨宮は黒蜥蜴に愛されないのであれば
はく製になって黒蜥蜴に愛でてもらえたら本望だと・・

舞台黒蜥蜴の美学

黒蜥蜴も明智小五郎も雨宮も
それぞれがぎりぎりの愛を表現していました

究極と言っても良いほどの愛

三島戯曲の深さ・・・セリフ一言一言に
全てが凝縮されていて
本当に宝石のような舞台です(*ﾟｰﾟ*)

一言一言のセリフの中には
黒蜥蜴の究極の美学が
明智小五郎の究極の美学が
雨宮の究極の美学が
宝石のように光を放っていました(*´σｰ｀)

無駄が一切ない完璧なセリフ
・・・無駄が一切ないってまるで人生みたいだな～
と思いました(´∀｀)

こんなに深かったんだ～と、
何度目かの舞台でやっと気付きました（遅っ(σ・∀・)σ）