すっかり秋めいて、色づき始めた木々が雨に濡れています。この季節、青空に映える柿の木は日本の原風景です。
坪内稔典は茶道雑誌10月号の季節の言葉「柿」に柿を食べながら別れる芭蕉も惟然も渋い男だとし、
この渋い男ですが見かけが派手でなく、でも、奥深さというか「滋味」のようなものを感じさせる男を指す、と評しています。
この味わい深い「滋味」ですが有り難いことに同門10月号でも出会いました。猶有斎宗匠が巻頭言の不自由の中の自由で引用した即中斎宗匠の一文にあります。
失礼し、さらに引用させてもらいます。
不自由の中に積極的に満足を感じて、充足を覚え楽しさを感じるのである。
平凡なことを平凡にして、しかもそこに自らの妙味を見出すことは一朝一夕ではできない。これを悟れば、すべての日常のことに無限の「滋味」が湧いてくる。
とあります。
この「滋味」ですが、黄昏を過ぎた私に心地良さと力強さを与えてくれる言葉であり一文ですね。