昨日の節分
いわちゃん家には、80前後のお年寄り(気持ちは若い)が5人、後家さんばかり4人といわちゃんの妻のひーちゃんで巻き寿司を作るのに大賑わい。
「ご飯炊けたけ?まだけ?」
「「ごぼうと人参の下準備はできとるぜ」
「穴子は倉庫で焼きよるけん、もうすぐじゃ」
などなど、賑やかな話が朝8時前から始まっている。
ひーちゃんは、食べる事が大好き!それをみなさんにおすそ分けして、美味しかったと喜んでもらうのがもっと好き。
おはぎ、桜餅、寿司、餅、2ヶ月に1回ひーちゃんは何かを作っている。
しかし、ここ最近少し太り始めたのを気にして、ご飯を控えているらしい。この家では朝、神様仏様にご飯をお供えするのだが、夜、ひーちゃんはそのちょびっとのご飯を食べて我慢する。
「晩御飯、あれだけしか食べんのに何でやせんのじゃろう?」
私は知っている。そう、あれはこの間いわちゃんを病院に連れて行った時、
「みいちん、帰りにどこでもええけんスーパーに寄ってや」
と言って、おとなしくついて来るいわちゃんと共に、
「パン要るかな?この饅頭もおいしそうじゃな、あっ、このプリンも」
「もう4時じゃのに、そない買うたら晩御飯が食べれんなるよ!」
「いわちゃんが好きじゃけん」
と言いながら、パンは5個入り饅頭は6個入りだった。
そろそろ私の家の分の巻き寿司出来たかな・・うちは7本頼んでおいた。
やりよる、やりよる。にぎやかなお年寄りみんなで、分担して流れ作業で作りよる。
リビングからいわちゃんは、ひとり嬉しそうに、女子衆が巻いているのを眺めてい
る。
「次のご飯が炊けるまで、お茶でも飲むかな」
「今日は何升ご飯炊いたん」
「9升よ」
へぇぇ・・と言いながら、どの位か想像がつかない。
ひーちゃんは巻き寿司をつまみながら、美味しそうにお茶を飲んでいる。今日の晩御飯は、神様仏様のご飯かもしれないけど・・・