3作品続けて読んでみた。
共通点は、どの作品も王朝を舞台にしたファンタジーであるところだ。
・蒼路の旅人/上橋菜穂子
まじで尊敬してる作家さん。
大好きな『守り人・旅人シリーズ』の第6作目。
チャグムの若さ故の抑えきれない感情や思考に共感。
話が進んでいく間、え?え?もうあと残りページがこれしかないのに、どうなってるの?と思ったら、びっくりするラストだった。
早く天と地の守り人が読みたい。読みたい。読みたい!!
本当に好き過ぎると、あまり語れる事がないらしい。
・テンペスト第一巻・春雷/池上永一
琉球王国のファンタジー。
ちょっと待って。
琉球王国の歴史なんて全然知らないじゃん、私。
よくよく考えてみれば、日本の歴史の中では琉球王国は外国扱いになるのか。
学生時代まともに勉強していなかったので、歴史の教科書に琉球王国の事が書かれているかは知らないのだけれど、そこんとこどうなのかしら。
沖縄といえば、アメリカに統治されていたくらいしか知らない。
私の母は沖縄出身だけれど、母から聞かされた話で唯一衝撃を受けたのは、母が幼い頃はドルを使用していたという事くらいだ。
いや、それよりずっと昔の話だよ、琉球王国って。
ちょっとだけ調べたところ、小説の時代背景は忠実だった。
テンペストの舞台は、日本では江戸時代、中国でいうと清の時代だ。
主人公は孫寧温という。
びっくりした。
琉球王国の人の名前は、中国人みたいだ。
登場人物の女性の名は割と日本人なのに。
琉球王国は中国に冊封されていたらしい。
さくほう・・・?
また聞きなれない言葉が!!
歴史には滅法弱いワタクシです。
簡単にいえば中国に従属する国だったって事でよろしいですか?
けれどこの頃の琉球王国は、薩摩藩の支配下にもあったようだ。
つまり、二つの国に支配されていた国ということ?
とっても複雑な国だよ、琉球王国。
物語にも、その複雑な情勢も書かれている。
主人公は、そんな国の王府で働く事になる子供だ。
ふと、幼い頃に沖縄で見知らぬおじいさんに声を掛けられた時の事を思い出した。
とても方言の強い方で、何を言っているのかさっぱり分からなかったのだ。
幼いながら、中国語を聞いているような気持ちになった。
なんくるないさ~とか、そんなのほほーんとした方言じゃない。
沖縄の人って早口なイメージがあるんだよね。
それもきっと中国と何か関係あるのかもしれないと、私は密かに思っている。
話を戻して。
池上永一さんの作品は他に『シャングリ・ラ』を読んだだけなのだけれど、私の感覚だと、どことなく筒井康隆さんのような空気の作品を書く方だと思う。
まぁ、筒井康隆さんは『パプリカ』と『時をかける少女』しか読んだ事がないのだけれど。
池上永一さんはヒステリックな女性の書き方がとても面白い。
やっている事はとても残酷なのに、頭に浮かぶ映像はコミカルなのだ。
まともに書くとただ残酷になってしまうからなのかもしれないけれど、書いている本人が楽しんでいるようにも見える。
ここまで行くと女性のヒステリックも可愛いんじゃないかとさえ思えてくる。
男性の目線だと女性のヒステリックはそんな風に見えるの?
一女性として、ちょっと気になるところだ。
・後宮小説/酒見賢一
幼い頃、『雲のように風のように』というアニメを見た。
あまり幼い頃の記憶を残さない私の脳みそだけれど、アニメを見た時の衝撃だけは覚えている。
見終わった後、なんとも言えない気持ちになったのだ。
結末は悲しいはずなのに、どこか清々しい。
幼い自分にとって、それはとても不思議な感情だった。
その原作が後宮小説だ。
ちなみに、第一回ファンタジーノベル大賞受賞作らしい。
名前の通り、後宮に入る少女が主人公のこの小説だが、まず読み終わって一番に思った事。
今読んで、良かった。
舞台は素乾国。
1607年に皇帝が亡くなるところから物語は始まる。
この小説は『素乾書』『乾史』『素乾通鑑』という文献を元に書いているらしい。
頭の数ページを読んだだけで、私は面食らってしまった。
面白い書き方をする作家さんだ、これがデビュー作なのか、と。
まぁ、書き出しの一文だけで十分びっくりしたのだけれど。
そして、主人公の名前が素敵なのだ。
銀河。
14歳の田舎娘だ。
そんな主人公が後宮で宮女候補として教育を受ける事にななった。
師は瀬戸角人という眼の蒼い老人。
彼の下で学ぶのは房中術だ。
ぼうちゅうじゅつ・・・。
聞きなれない言葉だけれど、小説をここまで読み進めていくうちに大体分かってしまった。
後宮で必要とされる技術だもんね、そりゃそうだ。
けれども、瀬戸角人老師の教える房中術がまた面白い。
男女の性に哲学を見出すとは、ロマンチックな話だと私は思う。
そして、妙に納得してしまうのだ。
まぁ、とにかく。
この素乾国は架空の国ではあるのだけれど、中国をモデルとしているようで、かなり中華風なファンタジーになっている。
房中術も実際にある中国の道教だし、国の位置も中国っぽい。
そして、何度も言うけれども後宮の話だ。
文章は露骨な書き方をしている。
だから私は、『今読んで、良かった。』と思った。
もし、若い頃に自分がこれを読んでいたら、少なからずショックを受けていたはずだ。
なんて卑猥な物語なんだろう!私はこんな話に感動したんじゃない、と。
それなりな年齢になってしまった今だからこそ、素直に面白いと思えるのかもしれない。
けれども物語の結末は、やっぱり不思議と清々しかった。
とても軽やかだ。
この軽やかさは一体なんだろう?
酒見賢一さんの作品を他にも読んでみよう。
そしてもう一つ、テンペストと後宮小説で学んだもの。
宦官だ。
かんがん・・・?
また聞きなれない言葉が!!
簡単に言うと、去勢した男性公務員の事でよろしいですか?
日本にはあまり居なかったようだけれど。
元々の始まりは刑罰や宗教的なものみたいだけれど、官吏として重宝されるようになって、古代中国では当たり前に皇帝の周りに居たらしい。
三国志の時代とか、きっと沢山居たんだろうね。
読んだ事ないけれど、出てきたりするのかしら。
そんな感じです。
では、また。
共通点は、どの作品も王朝を舞台にしたファンタジーであるところだ。
・蒼路の旅人/上橋菜穂子
まじで尊敬してる作家さん。
大好きな『守り人・旅人シリーズ』の第6作目。
チャグムの若さ故の抑えきれない感情や思考に共感。
話が進んでいく間、え?え?もうあと残りページがこれしかないのに、どうなってるの?と思ったら、びっくりするラストだった。
早く天と地の守り人が読みたい。読みたい。読みたい!!
本当に好き過ぎると、あまり語れる事がないらしい。
・テンペスト第一巻・春雷/池上永一
琉球王国のファンタジー。
ちょっと待って。
琉球王国の歴史なんて全然知らないじゃん、私。
よくよく考えてみれば、日本の歴史の中では琉球王国は外国扱いになるのか。
学生時代まともに勉強していなかったので、歴史の教科書に琉球王国の事が書かれているかは知らないのだけれど、そこんとこどうなのかしら。
沖縄といえば、アメリカに統治されていたくらいしか知らない。
私の母は沖縄出身だけれど、母から聞かされた話で唯一衝撃を受けたのは、母が幼い頃はドルを使用していたという事くらいだ。
いや、それよりずっと昔の話だよ、琉球王国って。
ちょっとだけ調べたところ、小説の時代背景は忠実だった。
テンペストの舞台は、日本では江戸時代、中国でいうと清の時代だ。
主人公は孫寧温という。
びっくりした。
琉球王国の人の名前は、中国人みたいだ。
登場人物の女性の名は割と日本人なのに。
琉球王国は中国に冊封されていたらしい。
さくほう・・・?
また聞きなれない言葉が!!
歴史には滅法弱いワタクシです。
簡単にいえば中国に従属する国だったって事でよろしいですか?
けれどこの頃の琉球王国は、薩摩藩の支配下にもあったようだ。
つまり、二つの国に支配されていた国ということ?
とっても複雑な国だよ、琉球王国。
物語にも、その複雑な情勢も書かれている。
主人公は、そんな国の王府で働く事になる子供だ。
ふと、幼い頃に沖縄で見知らぬおじいさんに声を掛けられた時の事を思い出した。
とても方言の強い方で、何を言っているのかさっぱり分からなかったのだ。
幼いながら、中国語を聞いているような気持ちになった。
なんくるないさ~とか、そんなのほほーんとした方言じゃない。
沖縄の人って早口なイメージがあるんだよね。
それもきっと中国と何か関係あるのかもしれないと、私は密かに思っている。
話を戻して。
池上永一さんの作品は他に『シャングリ・ラ』を読んだだけなのだけれど、私の感覚だと、どことなく筒井康隆さんのような空気の作品を書く方だと思う。
まぁ、筒井康隆さんは『パプリカ』と『時をかける少女』しか読んだ事がないのだけれど。
池上永一さんはヒステリックな女性の書き方がとても面白い。
やっている事はとても残酷なのに、頭に浮かぶ映像はコミカルなのだ。
まともに書くとただ残酷になってしまうからなのかもしれないけれど、書いている本人が楽しんでいるようにも見える。
ここまで行くと女性のヒステリックも可愛いんじゃないかとさえ思えてくる。
男性の目線だと女性のヒステリックはそんな風に見えるの?
一女性として、ちょっと気になるところだ。
・後宮小説/酒見賢一
幼い頃、『雲のように風のように』というアニメを見た。
あまり幼い頃の記憶を残さない私の脳みそだけれど、アニメを見た時の衝撃だけは覚えている。
見終わった後、なんとも言えない気持ちになったのだ。
結末は悲しいはずなのに、どこか清々しい。
幼い自分にとって、それはとても不思議な感情だった。
その原作が後宮小説だ。
ちなみに、第一回ファンタジーノベル大賞受賞作らしい。
名前の通り、後宮に入る少女が主人公のこの小説だが、まず読み終わって一番に思った事。
今読んで、良かった。
舞台は素乾国。
1607年に皇帝が亡くなるところから物語は始まる。
この小説は『素乾書』『乾史』『素乾通鑑』という文献を元に書いているらしい。
頭の数ページを読んだだけで、私は面食らってしまった。
面白い書き方をする作家さんだ、これがデビュー作なのか、と。
まぁ、書き出しの一文だけで十分びっくりしたのだけれど。
そして、主人公の名前が素敵なのだ。
銀河。
14歳の田舎娘だ。
そんな主人公が後宮で宮女候補として教育を受ける事にななった。
師は瀬戸角人という眼の蒼い老人。
彼の下で学ぶのは房中術だ。
ぼうちゅうじゅつ・・・。
聞きなれない言葉だけれど、小説をここまで読み進めていくうちに大体分かってしまった。
後宮で必要とされる技術だもんね、そりゃそうだ。
けれども、瀬戸角人老師の教える房中術がまた面白い。
男女の性に哲学を見出すとは、ロマンチックな話だと私は思う。
そして、妙に納得してしまうのだ。
まぁ、とにかく。
この素乾国は架空の国ではあるのだけれど、中国をモデルとしているようで、かなり中華風なファンタジーになっている。
房中術も実際にある中国の道教だし、国の位置も中国っぽい。
そして、何度も言うけれども後宮の話だ。
文章は露骨な書き方をしている。
だから私は、『今読んで、良かった。』と思った。
もし、若い頃に自分がこれを読んでいたら、少なからずショックを受けていたはずだ。
なんて卑猥な物語なんだろう!私はこんな話に感動したんじゃない、と。
それなりな年齢になってしまった今だからこそ、素直に面白いと思えるのかもしれない。
けれども物語の結末は、やっぱり不思議と清々しかった。
とても軽やかだ。
この軽やかさは一体なんだろう?
酒見賢一さんの作品を他にも読んでみよう。
そしてもう一つ、テンペストと後宮小説で学んだもの。
宦官だ。
かんがん・・・?
また聞きなれない言葉が!!
簡単に言うと、去勢した男性公務員の事でよろしいですか?
日本にはあまり居なかったようだけれど。
元々の始まりは刑罰や宗教的なものみたいだけれど、官吏として重宝されるようになって、古代中国では当たり前に皇帝の周りに居たらしい。
三国志の時代とか、きっと沢山居たんだろうね。
読んだ事ないけれど、出てきたりするのかしら。
そんな感じです。
では、また。