何しろ遠いところに住んでいるので、会うのは月に一度がいいところ。会えないときもある。それでも電話したり、メールしたり、半年はそれで続いていた。

でも、ふとしたきっかけで、ぽろぽろと崩れていくものもある。

逆に、会うことで心の内からこみあげるものもある。


私は彼に対して非常に不実だ。浮気はしないと言いながら、している。勿論彼は知らない。

ただ、別れて落ち込むたびに脆くなっていく私に、言葉だけでは何も出来ない。

言葉は無力だ。実際のキスの前では、いくら好だと100回叫ぼうと無力なのだ。


別れる間際に、人前だろうと私たちはキスをした。

時間がいくらあっても足りない。そうして泣く私にも、このひとは、言葉しかくれない。

――そう望んだのは、私であっても。

最初に好きだといったのはどちらに対してもわたしで。

それでも、体に触れたのはこのひと。抱きついて、キスをして、今でもそれは続いている。


そしてこのやさしいひとは、すべての事情を知っている。知っていて、わたしになおもやさしくあろうとする。

口べたで、何か話さないと気が済まないわたしの口をいつも塞ごうとする。それでも、触れてくる手や、送られてくるメールは、みんなみんな、大切だ。

近くに居るから、会いたいと思えばおそらくすぐに来てくれるだろう。

変な気遣いが要らないところも好きだ。


最初にありのままのわたしを見てくれたところも。

だから触れられるのも、自分から触れるのも、嫌じゃなかった。

でも、嫌じゃないから、それは愛情なのか。でも、このどきどきは間違いなくそうだと思う。相手の顔や仕草にいちいちときめく。隙あらばキスがしたい。


ああ、私はこんなに即物的な女だったっけ、と思い返すのだ。

 私には今、つきあっているひとがふたり、居ます。
 勿論、ふたりとも互いを知らないし、私がそうしている事も知りません。
 
 ひとりはとても遠いところに住んでいます。このひとが、私の太陽。知り合ったのはネットという最近ありがちなシチュエーションで、それでもだらだらと半年くらい、続いています。私と同い年で、とても困ったひとです。子供みたいで、でも私と趣味は恐ろしいほどに合います。話していてちっとも苦にならない。
 もうひとりは私の月。近くに居ます。同じ仕事をしていて、最近知り合いました。誘ったのは私の方かもしれない。このひとはとても、いいひと。でも、知り合ったのが最近だから、どこまで私のことが好きなのか、本気なのかはわかりません。

 私はこのふたりがとても好きです。でも、いけないことだと思う。不誠実で、それでも、私は、このふたりを失いたくないと思ってる。

 誰にも話すことができないこんな想いを、こっそりここに書いていこうと思います。