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AmazonでドラマThe Affairを、数日かけて全5シーズン、駆け抜けてきました。
睡眠不足でフラフラになったけれども、満足感はありました。
日本では「アフェア 情事の行方」というサブタイがついていますね。
アメリカのShowtimeというチャンネルで2014年から2019年にかけて放映されていたドラマです。
主演はイギリス人俳優のDominic West。脇を不倫相手、のち妻役のイギリス人女優Ruth Wilson、本妻役はアメリカ人女優Maura Tiemeyが固めています。
第72回ゴールデングローブ賞、Ruth Wilsonが主演女優賞、2冠を取っています。(Dominicは主演男優賞へのノミネートのみ)
Wikiに書いてある通り、「羅生門効果」を使っています。
一つの出来事を、別のキャラクターの視点で描く。記憶の曖昧さや、見ている側の印象が、別視点を知る事でガラッと見方が変わり、自分が一方的にジャッジしていたと気付かされる、そんな立体的な描き方をしています。
面白いなぁと思ったのは、着ている服や小物が、キャラクターからの視点によって変わります。
男性視点での再現フィルムは、女性のスカートの丈は短く、胸元も大きく開いたようだったり、話す内容も誘惑的であったり、逆に凄く意地悪だったりする。
男性側の記憶では、自分がいかに理性的で論理的な言動をしていたと思っていても、女性側からの再現だと、男性はずっと身勝手で武居高で感情的で子供っぽく描かれたりしています。
女性が男性にマフィンとホットコーヒーを差し入れするシーンでは、男性の記憶ではドーナツに変わっていたりする。
これリアルだなぁ。こういうシーンでドーナツかなんか甘いもの、と適当に記憶する男性に対して、女性にとってマフィン+暖かいドリンクという気遣いは結構重要点高いし意味を持っている。ドーナツ箱買いで「どうぞ」ってこのシーンであり得んわ〜と、女性として思うけれど、男性は別にどっちでもいいじゃん?となるのだろうか。ドーナツにリアリティは感じないけど、マフィンなら説得力を持つ。真実は不明だけれども。
人の記憶というのは、大概こんなものじゃないかなぁと、そこにリアルを感じました。
誰もが自分の望むように記憶を湾曲しながら生きている。暗闇の中、懐中電灯で物を探すみたいに、光の当たる部分以外の記憶は曖昧模糊だ。だから自分で記憶を希望通りに修飾してしまう。みんながみんな都合良く書き換えてしまう。それは生存本能なのだと思います。ありのままの記憶であればあるだけ、現実というものの切れ口は鋭いまま、何度も繰り返しその人を傷つけて行く・・・
記憶を湾曲できる事、忘れる事、そして修飾して行く事、それは人が生きる上で、とても大事な本能だと思います。
ドラマに話を戻します。
ファイナル・シーズン5にRuthとCole役のカナダ人俳優Josua Jacksonは出演していません。
残念です。RuthのAlisonが一番好きなキャラクターだったのにな。
シーズン5にはAlisonの娘が大人になって出てきます。時代は2053年だったかな。
って、あと30年したら世の中は2051年ですよ。もしかしたら私はその時まだ生きているのかもしれない。
棺桶に片足突っ込んだお婆ちゃんの自分は想像できても、2050年代とか、物凄く未来な響きで想像できない・・・(汗)
そうそう、凄く印象に残ったのは、確かシーズン3に出てくる、カナダ系アメリカ人俳優のBrendan Fraserです。
The Mummy(ハムナプトラ)で知られているかもしれませんが、現在52歳。かなり恰幅が良くなり、あの印象的な顔付きも狂気を増して、サイコパス的な看守役が凄く板に付いていた・・・いるいる、こういう奴!自分が弱いばかりに権威と職権を乱用する奴!と、ちょっと自分の元旦那と重なって(苦笑)リアルだわ。演技上手いなぁw
さて、なぜジョシュアが降りたのかは調べてないのですが、Ruthが役を降りたのは、制作側が不必要にSexシーンを挿入したがり、彼女に脱げ脱げと圧力かけた事が原因のようです。
確かに、RuthのAlison役だけではなく、出てくるキャラクター殆どが、誰かと知り合うとすぐ寝ちゃう。「ありえへん」と思うシチュエーションでSexしてしまう。そこがなぁ・・・ちょっと難点だな、と観ながら感じていました。
日本人に比べて、大まかに言ってしまえば欧米人の方が性に対してGo getterだとは感じていますが、流石にそんな簡単に寝るかい?若い子たちならともかく、結婚している身で男も女も?40代、50代でも?う〜ん・・・歳を重ねれば重ねるだけ、フットワーク重くなる気がするけどなぁ・・・
そして作中で気になった言葉が「Fuckable」
・・・(汗)
私は中年になった今Fuckableなのだろうか。
・・・ないな。激しく無いな。
日本語でいうと「性行為可能」?
中年なので、もう性対象市場からリタイアしたつもりだけれど、欧米人はリタイアしないもんなぁ・・・50代のHelenに若いSierraが「あなたはその歳でもFuckableだもの」と言う。実際Helenは出会ってすぐの映画俳優とSexする。
男性から見てもFuckableだし、実際彼女もFuckable。
そんな世界が50代で実際繰り広げられているのだろうか・・・
最近、3歳年上の在米日本人の友人に彼氏が出来た、と報告を受けた。
うひゃ〜。マジか〜。あり得へんわ〜、と思ってカウンセラーのジョンに言ったら、いや、全然あるでしょ。
ブルーも愛を見つけられると良いんだけど、と。何歳になってもCompanionshipは大事だよ、と。
結局二人でも寂しくなるのだから、一人でも寂しく無いように強くなろうとメンタル鍛えてるのに、結局人はつがいとなる相手を求めるものなのだろうか。結局鯔のつまり、人は一人で居られないものなのだろうか。
孤独はそんなに悪いものじゃない。邪魔されないのは快適だ。学びはないのかもしれないけれども・・・・う〜ん。
人様はそれで良いだろうけど、やはり私自身は例外な気がするなぁ。
孤独と仲良くなる。一人で映画を観に行って、一人で外食する。そういうの凄く自分に合っている気がする。
私はFuckableでない自分に価値を置いているのか、それともそうしか道が無いから納得しようとしているのか。
悩める醜い中年女子。
喉に引っかかった小骨のように、今私の喉元に、飲み込みきれない言葉が刺さったままになっています。