普通の幸せ

いわゆる

結婚して

子どもを数人授かって

子育てに奮闘し

喜怒哀楽すべてを経験させてもらい

またふたりになった配偶者との生活を穏やかに過ごし

ファミリーツリーを眺めるというもの

 

子どものころから親は仲が悪く

父親は酔うと暴力をふるい

母親はわかっていても父親を怒らせ

私は泣いて止めに入るのだけど

数日するとまた同じことの繰り返し

今思えば育児放棄ととられるが、一時期親戚の家に預けられ両親とはほぼ会うことがなかった

男性は暴力をふるうものだと思っているし

小学校からずっとひとりで家にいたので家族がどんなものなのかも知らない

 

今生では若いころにした病気で子どもを授かることができず

そのため結婚もあきらめ

そろそろ年齢的に相手も子供を望まないかなとパートナー探しをしようかと思った矢先

がんのたまごが見つかり切除

4年後に乳がんになって再建してほぼ元通りなものの胸を失い

抗がん剤治療で髪も一時期失い いまだ元通りには程遠く、でも確実に伸びていて

それでも数年前の自分からしたらすっかり変わってしまった容姿に

毎日お風呂に入るたびに悲しくなる

 

誰かを求めようとすると大きな病気が見つかるので

死にたくないなら独りでいる人生なんだ、と思っていたら

ホルモン治療の副作用で更年期うつのきついのに襲われ

独りでいることの孤独感と虚しさに殺されそうになる

 

誰かと生きることは私に死をもたらし

独りでいることでも結局死にうんと近づく

 

こんな状態で心が死んだままよくぞここまで生きたと自分をほめている

そんな毎日

 

生まれ変わりというものがあるなら

今生でできなかったこと

いつかできたらいいなと思う