年前の今日、
れもんを保護した。

毎年1回だけ、
インフルエンザの予防接種に行く
診療所の前で、

「転んでる子猫がいる。」

と、娘がいうので、

猫って転ぶの?
と思いながら見に行ったら
もういなかった。

診療所で受付をしていると、
「また子猫がいる」
と娘が言うので、

外に出てみると、

砂利の上にばら撒かれたフードを
地面に顔をぶつけながら
必死に食べている
グレーの小さな猫がいた。

思わず手を伸ばすと、

その子は逃げようとして、
その場に転んで、
手足を硬直させた。

今思えば、どこか動きがおかしかった。

とにかく、
捕まえなきゃと
倒れた子猫を抱き上げた。
見た感じ生後3か月くらい。

診察の順番を待っていたので、
とりあえず、車の中に置いて、

医師に聞いてみた。

医師は
「診療所の敷地内でよく見かける。
他の兄妹は大きくなっていくのに、
1匹だけ小さくて心配していた。
でも捕まえられなかった。」
と。

そして、
飼い主のいないこと、
飼う意志がないことを確認して、
連れて帰ってきた。


その足で、
いつも行っていた動物病院を受診した

歩行がおかしいので見てほしい。
と言ったら、

床に置いて2、3歩、歩くのを見て
「正常です」と言われた。

触診もせず、
関節の動きも確かめることもなく、

月齢も体重が1キロだから、
3か月くらいだと思うと言われた。

風邪をひいて、
目やに鼻水で薄汚れた野良猫を
触りたくないんだと感じた。

きれいな飼い猫、飼い犬しか
見たくないのかな
(この病院はやめようと思った)




釈然としないまま、
翌週出張で不在にするため、
子猫育てプロの姉(はなれおん)に
預かってもらった。

私の出張中に、
子猫の動きがおかしいと感じた姉は、
かかりつけの病院に
連れて行ってくれた。

「骨や関節には異常はないけれど、
 運動機能に障害があるのは
 脳が原因の可能性がある」

「考えられるのは、小脳形成不全」

先天的な障害、パルボの後遺症…
いくつかの原因が考えられる。

MRIで、原因がわかる可能性もあるが、
わかったところで
治療法があるわけじゃないので
勧めないと。

それともうひとつ、
身体は小さいけれど、
永久歯に生え変わってるから、
生後6か月くらいじゃないかと…
たしかに、
他の子は大きくなっていると
診療所の医師が言っていた。

生後6か月でたったの1キロ…

その年は、11月下旬に
関東平野部で初雪が降るほどの寒さだった。




れもん

会えてよかった。