コーウェイ社に対する批判エントリを見て、不安に思った方々が行ったコーウェイに対する問い合わせをおこなってくれました。そのコーウェイの回答から明らかな広告の不当表示が行われている、と言ってよかろう、と判断できましたので、以下のメールを出してみました。東京都からの反応があれば、このエントリに書き足していきます。行政が動いてくれるにしても、タイムラグがあるでしょうし、別件で、今は手が回らん、なんて事もあるでしょうから、私は私で、引き続いて、コーウェイに噛みつきつづけます。
例えばこんな風に

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東京都 消費生活部 取引指導課様

はじめまして。
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2011/07/20l7k400.htm
を見てメールを差し上げます。

港区にあるコーウェイ社のネオス浄水器に関しての情報提供です。
コーウェイ社に関しては、原発事故後の、比較的早い段階の4/19に
自社の浄水器フィルタにて、放射能除去ができた、という主旨の
プレス発表(添付ファイルPDF)を行っており、これを元に、ネット上で、
高評価を得て、さらに、AERA誌にて取り上げられるなどする事で、
ネット上でのプレゼンスが上がり、評判が高い浄水器となっていますが、
この根拠資料であるプレス発表に、ある種のごまかしが存在しており、
消費者をだます結果が生じていると考えております。

インターネット上で、ささやかではありますが、個人的にこの件に関して
http://ameblo.jp/mickey6809/entry-11002368502.html
にて批判を始めております。詳細に関しては、上記URLをご覧ください。

批判の概要としましては、

(1)逆浸透膜浄水の浄水原理においては、逆浸透膜に加える原水の
   水圧が高くないと、99~97%台の高い不純物除去率が得られない。
   このため、USなどの先進逆浸透膜浄水器市場では、電動加圧ポンプが
   付加された浄水器や、すくなくも、電動加圧ポンプが付加できる浄水器が
   主流となっている。

(2)コーウェイ社は添付プレス発表の測定対象になった試料浄水を
  電動加圧ポンプを使って原水の水圧を高めた状態で逆浸透膜フィルタ群に
  通すことによって作成しているが、電動加圧ポンプを使用した事を
  プレス発表資料上、明記していない。

(3)プレス発表資料で紹介されているコーウェイ社のネオス浄水器は
  電動加圧ポンプを有しておらず、水道水圧が低い場合には、
  プレス発表通りの性能がでない事が明らかなのにそれを隠している。

であります。

つまり、電動加圧ポンプを有していないネオス浄水器は、
「放射能が除去できる」として販売されていますが、
その根拠資料となっている試験結果は、ネオス浄水器の機構には含まれない、
電動加圧ポンプを使った、異なる浄水メカニズムで得られたものであり、
これを根拠資料とすることは、根拠資料の捏造に等しい行為であると考えます。

上記、URLの私の批判エントリをご覧になった、ネオスのユーザの方が
コーウェイ社に問い合わせを行ったところ、コーウェイ社自身が
(1)根拠資料の試験結果時に電動加圧ポンプを使っていること
(2)その水圧が0.3メガパスカル程度であること
(3)その水圧で十分な性能がでると考えていること
という旨の回答を返してきた、とのブログコメントをよせてくださいました。

本来であれば、プレス発表書類において、(1)(2)を明記すべきであると
考えますが、コーウェイ社は、これを隠した上で、
ネオスの取り付け可能水圧を0.14メガパスカルとして、
広告販売をいまだ行っている状況です。

上記(1)(2)を隠していた時点で、上記(2)の水圧値が、
本当にその水圧値であったのか、0.3よりもさらに大きな圧力をかけて、
試験対象データを捏造したのではないか、というという疑念も抱かざるを得ない状況なのですが、

仮に、コーウェイ社が認めた通り、0.3メガパスカルでの測定実績値であったとしても、
ネオスの取り付け可能水圧を、0.14メガパスカルとして広告販売していることから、

0.14以上、0.3未満の水道水圧しか得られないユーザに対しては、
虚偽の広告によって、ネオス浄水器を売りつけたことになると考えています。

逆浸透膜浄水における水圧の重要性に関しては
http://www.jwpa.or.jp/jwpa_tmp/kyokai.htm
などの公的団体にお問い合わせ頂く、

あるいは、コーウェイと同様に、原発事故直後に、
放射能除去結果を発表している、
http://www.teraoka.co.jp/ad/ecoa110330.html
テラオカさん、などに確認していただけば、と思います。

逆浸透膜浄水に詳しい者の間では、
「水圧が落ちれば除去率が落ちる」
は常識になっているのですが、

逆浸透膜浄水に詳しくない大方の日本人は、このことは常識とはなっておらず、
この「常識」のなさをコーウェイ社に逆手にとられてしまっている状況となっております。

以上、コーウェイ社に対しての、追加調査、ならびに、適正なご指導を期待して、
メールをさしあげるものです。
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