「10秒の詩」「10秒で終わる詩」「20秒で終わる詩」はみちるが作る短い詩の量り売りシリーズ。どうぞよろしくお願いいたします。
3・11 心の復興を祈って
10秒の詩 5編 みちる
*
思い出の中で遊ぶ
みんな一緒
会えなくなった人も
小さいころの私も
+
机の引出しの中に忍ばせたお守りは
あの人がくれたもの
うっすらといい香りがする
私の中にありつづける春
+
水彩絵の具を溶いて
筆を浸します
眼を上げると
大好きなあの人も同じ仕草
+
思いすぎて もう飽きてしまった
でも きっと
また思うでしょう
そんなことを 思っている
+
空は これでもか というほど雪を降らせ
やがて その雪を溶かそうとする
私は 春が来たら
春を待つ心を 溶かして海へと流します
ラクダは洗えばきれいになる!?「10秒の詩」の「感想」を書いてくださいました。いつも楽しみにしている「詩はどこにあるか」(谷内修三の読書日記)やちしゅうそさん、ありがとうございます!
『10秒の詩』感想 谷内修三さん
君の二つの耳は
片方で電話しながら
片方で音楽を聴くことができるので
ぼくの声はラジオドラマのようになり
フィクションとなる
噛み合わないところが
あなたのいいところだと思えてきたんだ
ちょっと悲しかったり
寂しかったりすることも
いいところだと思えてきたんだ
自分のことだってみえないじゃないか
かみ合う相手を見つけるなんて
無理なんだ