大移民時代に突入した「亡国のニッポン」を憂う
三橋貴明(経世論研究所所長)
http://ironna.jp/article/8158?p=3
現在の日本は、財務省主権国家であり、政商主権国家でもある。とにもかくにも、財務省の緊縮財政路線が強要され、国民が貧困化し、同時に人手不足が深刻化し、政商たちが「外国人労働者」の受け入れビジネスで利益を稼ぐスキームが成立してしまっているのだ。
政府の目的とは、ビジネスでも利益でもない。経世済民である。国民が豊かに、安全に暮らせる国を作る。これが、経世済民の精神だ。
それに対し、自らのビジネスにおける利益最大化のみを目的に、政治を動かそうとする政商と呼ばれる連中がいる。代表が、竹中平蔵氏が代表取締役会長を務めるパソナ・グループだ。さらには、自らの出世のこと以外には眼中になく、ひたすら緊縮財政路線を推し進める「亡国の省庁」たる財務省。
日本は財務省と政商たちに都合が良い政策「のみ」が推進され、国民が貧困化すると同時に、移民国家への道をひた走っているのだ。
筆者は10月31日に小学館から刊行した「財務省が日本を滅ぼす」に、
「2018年度は、診療報酬と介護報酬が同時に改定される、6年に一度の年となる。財務省は、もちろん診療・介護報酬の『同時引き下げ』を目論(もくろ)んでいる」
と、書いたのだが、予想通り来た。
10月25日の財政制度等審議会(財務大臣の諮問機関)において、財務省は医療および介護サービスの公定価格を見直す報酬改定について、いずれも減額を要求してきたのである。すなわち、診療報酬と介護報酬の同時引き下げだ。
ちなみに、介護報酬引き下げの理由は、財務省に言わせると、「15年度の改定時に、基本報酬4・48パーセント削減という大幅なマイナス改訂をしたが、さらに削減が必要。介護サービス全体の利益率は、中小企業の平均よりも高く、おおむね良好な経営状況である」というものだった。
ちなみに、介護報酬引き下げの理由は、財務省に言わせると、「15年度の改定時に、基本報酬4・48パーセント削減という大幅なマイナス改訂をしたが、さらに削減が必要。介護サービス全体の利益率は、中小企業の平均よりも高く、おおむね良好な経営状況である」というものだった。
生活習慣やルールの違いなどについて説明を聞く外国人職員ら =2017年5月31日、島根県出雲市財務省の緊縮財政路線でデフレが深刻化し、中小企業の利益が減った。結果、介護の利益率が中小企業平均を上回る状況になったため、デフレ化政策たる介護報酬引き下げが強行される。これが、現在の日本の姿だ。
現在、介護職の有効求人倍率は3倍を超え、産業としては医療や運送、土木・建設を上回り、日本で最も人手不足が深刻化している。理由は、単純に給料が安すぎるためだ。
介護職の平均給与は、産業平均と比較し、女性が月額▲3万円、男性が月額▲10万円と、悲惨な状況に置かれている。その状況で、財務省は「利益率が高い」などと言いがかりをつけ、介護報酬を削ろうとしているのだ。
2016年度の介護関連企業の利益率にあたる収支差率は、全介護サービスで3・3パーセント。介護報酬減額(15年)前の2014年度の7・8パーセントから、大きく落ち込んだ。
この状況で、さらなる介護報酬削減に踏み切ると、どうなるか。高齢化で需要が増え続ける中、介護報酬が削減され、今度こそ介護は「赤字が常態化」する業界になる。そうなると、事業を継続する意味がなくなるため、日本は介護の供給能力が激減し、高齢者が介護サービスを受けられなくなる形の「介護亡国」に至る。(当然、日本のデフレ化も進む)
あるいは、介護事業者がさらに給料を引き下げ、人材の流出(というか「逃亡」)が加速することになる。
本来、介護産業における人手不足は、介護福祉士の資格を持っていながら、業界で働いていない「日本人」を呼び戻すことで埋めるべきだ。とはいえ、そのためには介護報酬を引き上げなければならない。すると、財務省の緊縮財政路線とぶつかる。「財務省主権国家」では、介護報酬の引き上げはできない。むしろ、介護報酬は引き下げられ続ける。すなわち、介護サービスの給料はさらに低下し、日本人が逃げる。
「ならば、外国人を雇えばいいではないか」
介護分野における人手不足の原因は、政府が介護報酬削減を続けるため、十分な給与を支払えないことだ。解決策は、介護報酬拡大(および人件費に関する規制強化)であるにも関わらず、そこからは目をそらし、国民的な議論なしで対人サービス分野において「移民」の大々的な受け入れが始まる。わが国は、恐るべき国である。
特に、今後も人手不足が深刻化することが確実な介護分野において「移民」受け入れを決めてしまったことは、将来に重大な禍根を残す可能性が高い。
現在は、介護サービス業が試験的に技能実習生を受け入れているだけだが、今後も「外国人労働者」の需要が拡大すると、なし崩し的に規制緩和が進み、やがては「ヒトの売り買い」で儲けるパソナをはじめとする大手派遣業者ら「政商」が市場に参入してくることになる。政商たちの手により、世界中のあらゆる地域から、「安く働く外国人労働者」を日本の介護分野に大量供給されていく。
やがて、わが国の国民に、「介護? ああ、外国人が働く業界ね」といった認識が広まり、日本の介護サービスは移民無しでは成り立たない状況に至る。
そこまで行くと、もはやポイントオブノーリターン(後戻りできない地点)である。われわれは日本国の二千年を超す歴史上初めて「移民国家、日本」を将来世代に引き継ぐことになってしまうのだ。
将来の日本の教科書には、2017年11月1日の技能実習制度の介護分野への適用こそが、日本の本格的な移民国家化の始まりだったと書かれることになる。
2016年度の介護関連企業の利益率にあたる収支差率は、全介護サービスで3・3パーセント。介護報酬減額(15年)前の2014年度の7・8パーセントから、大きく落ち込んだ。
この状況で、さらなる介護報酬削減に踏み切ると、どうなるか。高齢化で需要が増え続ける中、介護報酬が削減され、今度こそ介護は「赤字が常態化」する業界になる。そうなると、事業を継続する意味がなくなるため、日本は介護の供給能力が激減し、高齢者が介護サービスを受けられなくなる形の「介護亡国」に至る。(当然、日本のデフレ化も進む)
あるいは、介護事業者がさらに給料を引き下げ、人材の流出(というか「逃亡」)が加速することになる。
現在、介護福祉士として登録している「日本人」は140万人を超す。それにも関わらず、従事率は55%前後の横ばいで推移したままだ。
さらに不吉なことに、2017年から介護福祉士の国家試験への受験申込者数が急減している。社会福祉振興・試験センターによると16年度は16万919人だった受験者が、17年度は7万9113人と、半減してしまったとのことである。政府の介護報酬削減(2015年)で介護が儲からない産業と化し、就職すると「貧困化する」という現実を、介護産業への就職志望者たちが知ってしまったのではないか。
本来、介護産業における人手不足は、介護福祉士の資格を持っていながら、業界で働いていない「日本人」を呼び戻すことで埋めるべきだ。とはいえ、そのためには介護報酬を引き上げなければならない。すると、財務省の緊縮財政路線とぶつかる。「財務省主権国家」では、介護報酬の引き上げはできない。むしろ、介護報酬は引き下げられ続ける。すなわち、介護サービスの給料はさらに低下し、日本人が逃げる。
「ならば、外国人を雇えばいいではないか」
ということで、17年11月に外国人技能実習生制度の、介護分野への適用につながるのだ。介護分野が技能実習生制度に解放されたことを受け、デイサービス大手のツクイが、ベトナムから年内に約150人を、学研ココファンも、2020年までにミャンマーや中国などから120人程度を受け入れる予定とのことである。
とはいえ、今回の外国人技能実習制度の介護への適用は、明らかに「人手不足を補うための外国人労働者受け入れ」である。何しろ、介護の有効求人倍率は3倍を超えるのだ。しかも、対人サービスとしては初めての技能実習生受け入れとなる。
介護分野における人手不足の原因は、政府が介護報酬削減を続けるため、十分な給与を支払えないことだ。解決策は、介護報酬拡大(および人件費に関する規制強化)であるにも関わらず、そこからは目をそらし、国民的な議論なしで対人サービス分野において「移民」の大々的な受け入れが始まる。わが国は、恐るべき国である。
ちなみに、「移民と外国人労働者は違う」といった詭弁(きべん)は通用しない。国連は、出生地あるいは市民権のある国の外に12カ月以上いる人を「移民」と定義している。経済協力開発機構(OECD)の定義では「国内に1年以上滞在する外国人」が移民だ。1年以上、わが国に滞在する外国人は、全てが「移民」なのである。もちろん、介護分野に流入する技能実習生も、れっきとした移民になる。
現在の安倍政権は、恐るべき熱心さで日本の「移民国家化」を推進していっている。安倍総理は、保守派の政治家と思われている。普通、国民や国家を重要視する「保守派」の政治家は、移民受け入れに反対するはずなのだが、とんでもない。日本の憲政史上、安倍内閣ほど移民を受け入れた政権は存在しない。2012年には68万2千人だった日本の外国人雇用者数は、2016年に108万4千人に達した。4年間で、およそ1・6倍にまで増えたのだ。
特に、今後も人手不足が深刻化することが確実な介護分野において「移民」受け入れを決めてしまったことは、将来に重大な禍根を残す可能性が高い。
現在は、介護サービス業が試験的に技能実習生を受け入れているだけだが、今後も「外国人労働者」の需要が拡大すると、なし崩し的に規制緩和が進み、やがては「ヒトの売り買い」で儲けるパソナをはじめとする大手派遣業者ら「政商」が市場に参入してくることになる。政商たちの手により、世界中のあらゆる地域から、「安く働く外国人労働者」を日本の介護分野に大量供給されていく。
やがて、わが国の国民に、「介護? ああ、外国人が働く業界ね」といった認識が広まり、日本の介護サービスは移民無しでは成り立たない状況に至る。
そこまで行くと、もはやポイントオブノーリターン(後戻りできない地点)である。われわれは日本国の二千年を超す歴史上初めて「移民国家、日本」を将来世代に引き継ぐことになってしまうのだ。
将来の日本の教科書には、2017年11月1日の技能実習制度の介護分野への適用こそが、日本の本格的な移民国家化の始まりだったと書かれることになる。
本当に、それでいいのだろうか?
(私の感想)
>現在の安倍政権は、恐るべき熱心さで日本の「移民国家化」を推進していっている
安倍政権の最大の問題は、これなんですよね。(´д`lll)
著者も書いてますが、政府がパソナのような亡国企業と共謀しているのは間違いないんです(`ヘ´#)
その他、輸出関連企業(グローバル大企業)にも抱き込まれていると思います。
要は、財政界の思惑通りに動いているということですね( ̄^ ̄)
勿論、裏では巨額の金が動いていることは間違いないでしょう。
そのように、普段から融通を効かせているからこそ、幼児教育の無償化にお金を出してくれるんですよ(`Δ´)
その事で小泉ジュニアが「そのような要請をすることを、自民党内で議論されていない」と怒っているらしいですが、財政界と安倍政権及び自民党が持ちつ持たれつのズブズブの関係なのは、私のような素人が見ても分かるくらいですから、安倍さんが独断で進めても党内で文句の出ようもないんですが、ジュニアは察知出来ないんですよね( ´艸`)
彼の能力は推して知るべしです(;^ω^A 率直に言って、将来の総理なんて器じゃないです。おまけに、最小派閥の石破派らしいですから。もう石破さんは総理の可能性ないですし、ジュニアもいくらマスゴミが持ち上げたところで無理でしょう。
さて、話を元に戻しますが、安倍さんは有能な人ですから、この移民政策のカラクリが亡国のシナリオであることに気付いているはずです。それなのに押し進めるということは、それだけ財政界のマネーに自民党が強く抱き込まれているということですね...
そして、財務省の緊縮財政のせいで、十分な財政出動も出来なかったし、今後消費税引き上げもせざるを得ない...
安倍さんの言動を見ていると、本音では上げたくなさそうに見えるんですが、どうでしょうか?(´_`。)
裏で何が起こっているのか、国民は状況的なものから推し測るしかありませんが、財政界と財務省が日本を牛耳っているのは間違いないです。