近年、第二の脳といわれる腸の存在が大きく注目されています。

 以前から腸と脳で情報伝達や情報交換を行っているということは知られていましたが、

具体的にどのようなかたちで 情報伝達が行われ, 影響を与えているのかは わかっていませんでした。

しかし、 最近では解析技術が発達したこともあり、腸が私たちの脳に大きな影響を与えていることが具体的に明らかにされつつあります。

そして、その中心となっているのが腸内細菌です。

 私たちの腸内に生息する常在菌は約1000種, 約100兆個存在し, 
独自の腸内細菌叢を形成しています。

さらに認知症特有の腸内細菌が特定されたり、 腸内細菌が食事から生み出す代謝物によって、 認知症の症状が悪化したり、改善したりすることも次第に明らかにな つつあります。

第2章では認知症に関係が深い、腸内細菌についてとりあげます。


「認知症の教科書」より抜粋
P50