‪✿ コラム ‪✿

ヨーグルトを食べたら、中に入っている菌は腸に住み着くでしょうか?

じつは、この問題の答えは本書の中ですでに述べてあるのですが、あらためて正解を発表させていただきます。

ほとんどの場合、住み着きません。

ヨーグルトを毎日食べ続けているうちは便から菌が検出されますが、食べるのをやめれば、数日で検出されなくなるそうです。

つまり、菌は定住しません。

ヨーグルト菌が粘液層に入ることに失敗しているからだと考えられます。

さて、こんな話をして、ヨーグルトの会社から苦情が来ないのか?      大丈夫です。 

ヨーグルトを作っている会社も、ちゃんと知っている話だからです。

そもそも、1回食べただけでお腹の中にずっと菌が住み着くのなら、商品が売れなくなってしまいます。

「だから毎日食べよう!」という宣伝ができて、かえってそれでいいのです。


「でも、住み着いてくれないなら、ヨーグルトを食べても意味ないじゃない!」と思った方は、早とちりです。

腸内フローラにとってヨーグルトの菌は一時的に訪れる ・お客さん。

であったとしても、食べ続けている限りは一定の数が保たれ、生態系の 一員として働く可能性があるからです。

他の菌たちに働きかけて、腸内フローラのバランスをいいほうへ変えてくれるかもしれません。

また、細菌学の専門家のなかには、「長く住み着かないからこそ、ヨーグルト菌は いい菌なのだ」という人もいます。

生きた菌を食べる場合、思わぬ効果をもたらして、よくないことが起きる可能性も ゼロではありません。

でも、ヨーグルト菌はすぐにいなくなるので、万が一、悪いこ とが起きたとしても長引かない。

だから安心して食べられるのだ、というのです。

なるほど、そんな考え方もあるのか……………。

ヨーグルト菌に、住み着いてほしいような、ほしくないような。なんとも微妙な気 持ちになりますね。

※「腸内フローラ10の真実」より抜粋
P205~P206