ガーナ最北の西側に位置する「アッパーウエスト」。そこの中心地である「WA」という街は、首都のアクラから約700km離れた場所にある。
そのWAから更に車で南西へ走る事30分。メイズ畑が広がる、人口約800人の「ビエリ村」が今回の土のうデモンストレーション開催の場所だ。
偶然にもデモンストレーション当日は、地元マーケット開催日と重なっており、近隣の村からも大勢の人がビエリ村に集まっていた為、土のう工法を宣伝するには絶好のチャンスだった。
通りかかる人々の多くは、一旦私達の現場で足を止め、物珍しそうに私達の作業を見ていた。
アッパーウエストに到着し、休む間もなく地元NGO職員達やフィーダー道路局の職員と共に、デモンストレーション開催候補地を選び、あっという間に当日を迎えた為、まず村人達がちゃんと来てくれるのかが、一番の心配だった。しかし、最終的には40名近くの村人達が集まってくれ、皆とても協力的でスムーズに作業が進み、予定時刻よりも早く作業を終了する事ができた。
私の経験から言って40人集まろうと、60人集ろうと、実際に最初から最後まで作業してくれる人はほんの一握りだ。それが悪いというのではなく、そういうものだと思うし、少しでも作業を手伝ってくれる人、現場に来るだけの人でも、実際に私達の活動を生で見てくれただけで意味があると思う。何かのきっかけで、土のうの話を誰かに伝えてくれるかもしれないし、そこからまた何かかが広がるかもしれない。
ただ、どこの村でも疲れを知らずに最初から最後まで働いてくれる頼もしい助っ人集団がいる。
「子供達」だ。
この日も、土のう袋に土を詰める作業、そして、それらを施工現場まで運ぶ作業を、最初は大人達が中心になってやっていたが、ふと気がつくと4歳から15歳位までの子供達と数人の女性しかその現場に残っていなかった。
途中からは、「誰が一番土のう袋を運べるかコンテスト」の様なものになり、十数キロある土のう袋を頭に載せ、我先にと運んでいた。みんな、キラキラした汗をかいていて、その場にいた私も本当に楽しかった。
今回、WA地域の活動をいろいろとコーディネートしてくれ、デモンストレーションにも参加してくれた地元のNGO職員二人が中心になって、今後はこの地域に土のうを普及させていくと言ってくれている。フィーダー道路局の職員も、道選びから手伝ってくれ、デモンストレーションにも参加してくれて、彼らも大変私達の活動について好意的だ。
また、この村に戻って来て、彼らと一緒に働ける事を楽しみにしている。
この道が土のうによって・・・
この様になります!!

土を運ぶ子供達。「私はもっと重いの運べる!」と、皆競い合って自分の限界に挑戦!