-電話-

ミチ、やっぱ岡山一緒に行くか?


どうしたん?今日はあいつ連れて行く言ってたのに。ちょっとだけ相手してやって、安心させて、あいつがよけいな事せんようにするって。


そのつもりでおったんやけど、あいつ、「たまには一緒に岡山でも行ってぶらぶらするのはどうや」って誘ってやったのに、断わりよった。「行かん」やて。ほんまにかわいない女やで。


あんたの考えてる事分かったんちがう?ほんまは一緒に行きたないって。


そうかもな。だからな、ミチ一緒に行こう。


うん、分かった。10時半には出れる。


それじゃ、今から迎えに行くから・・・




今日のご褒美。4390円の半そでTシャツ1枚。まぁいいか。予定外の収穫。

今、あいつにイタ電してやった。これから続けて30分ごとにしてやろうと思ってる。


ミチ、1,2回はええけど、やりすぎるなよ。


分かってる。」でも腹立つわ、あいつ。昨日、私らが駐車場の車の中におるとき、ずっと駐車場の端の所に隠れて覗いとったやん。こっちから丸見えやのに。こっちが気付いてないと思とんやろか、あのブタ。


ほっとけ。あいつ、ぼくらのこと知ってても何もようせん。興信所に頼む金もあいつ持ってないはずや。金は生活費しか渡さんからな。何か周りの人間にあいつが言いよっても、あいつの頭がおかしいと思われるだけや。


ほんまに大丈夫かな?


大丈夫や、何もできん。あいつ、ここ追い出されたら、どこにも行く所ない。じっと黙っとるやろ。何もようせん。




寄生虫、今さらジタバタしても無駄・・・

あいつが、3時半まで1時間ごとにトイレに起きて来よるんや。僕が出て行かんよう監視しとるんや。ご苦労なこっちゃ。あいつ、3時半まで見張ったら、もうさすがに出て行かんと安心しよったんやろうけど、あほなやつや。今日は初めから明け方ミチの所に来るつもりで、「病院で検査受けるから朝飯はいらん」言うとったんや。今ごろ寝とるやろう、あいつ。僕がミチと楽しんどるなんて気付かんと。


ほんま、マヌケなやつやね。そやから、自分の旦那に女作られても気付かんと、ぶくぶく太ってられるんや。信じられんわ。ほんま。なんであんなやつと結婚したん?お見合いで、仕方なしとか?もしかして恋愛?


うん、昔はもうちょっとマシやった・・・あんなになるとは思わんかった。勘違いや。結婚したのは・・・失敗や。


もしかして、ミチも結婚したら、ほったらかしにして、他に女作るんちがう?


そんなことない。


だって、釣った魚にエサはやらんタイプやろ?


そんなことない。ミチはあいつとは違う。7年経っても、毎日抱きたい。魅力的なんや。いつまでも変わらん。きれいで、かわいい。僕のために色々と努力してくれとる・・・あんなやつとは大違いや・・・




掃除もせず、エサもやらず、そりゃぁーああなるさ・・・少しは面倒見ないとね。




誕生日のお花、ありがとう。


いいや。ほんまに花でよかったんか?花は毎週買うてるのに、誕生日まで花欲しいやなんて。ほんまにミチは花が好きやな。


だって、あんたと出会ったきっかけやない?花は。私が花屋でパートしてたから出会えた。


お袋さんに頼まれて、買いに行ったんや。お袋さんも花が好きやった。でも、あの店で花買うのも、この花が最後になるな。スーパーの売り場から撤退するらしいで、今週で。今度からどこで買うかな?


最近国道沿いに、新しいお花屋さん出来たんよ。今度のぞいてみよう思ってる。


そうか、そんなら土曜日の昼からでも行ってみよう、一緒に。


ああ、そうそう。しょうゆ豆また実家からもらってきた。持って帰って。佃煮の瓶に入れてあるから。無くなったら、また瓶持ってきて。入れてあげる。


お袋さんも、しょうゆ豆好きやったなぁ・・・




花なんて、もらった事無いだろう?寄生虫。私なら、しょうゆ豆10粒が1万円の花になる。

タク、昨日すごく喜んでたよ。映画観れて、レストランでごちそう食べれて。ありがとう。パンもようけ食べた。取り放題やったから、焼きたてパン。


そうか、喜んでたか。よかった。これからは、もっと皆で出かけたりするようにせんとな。


ありがとう、子供のことまで考えてくれて。


当たり前のことやろ。ミチの産んだ子はミチ同様かわいい。タクはもちろんのこと、アキちゃんもかわいい。なんでやろなー。あいつの産んだ子はちょっともかわいい思った事がないんや。確かに、自分の子なんやけどな。あいつ同様、何もしてやりとうないわ。ミチの産んだ子はこんなにかわいいのにな。


前の旦那は何も気付いてないんやろ、タクのこと?


たぶん、大丈夫やと思う。


あいつを追い出して、ミチと結婚するまでは、気付かれんようにせんとな。


うん、早く結婚したい・・・


うっ・・・ミチ、ナンボなんでも、ここでは・・・


大丈夫や。ここはみったにお客は通らん。従業員専用の駐車場横やし。大丈夫、この時間・・・人は通らん。




あいつさえいなくなれば・・・