2019年12月頃

 

お気に入りのSUZUKI No.172 ですが、元々装着されているエンドピンが短くて私の身長に合わないという悩みがありました。
エンドピンはAmazonなどで簡単に購入出来るのですが、ちょっとした問題がありまして。
通常、チェロのエンドピンは直径が8mmと10mmの2種類なのですが、No.172は中途半端な直径7mmなのです。
古いチェロではよくあるのですが、細くて短いんですよ。
7mmのエンドピンなんてどこにも売っていないので、ホームセンターでステンレス棒を買ってきて作ろうと思ったけど、7mmの棒材なんて売ってないんですよ。

材質は何でも良いから、何か別の用途の物で直径7mmの無垢の棒が売っていないものか、ホームセンターを4件ハシゴしました。
そしたら、ピッタリのがあったんですよ!!

それがコレ!!
元は何用の棒かわかりますか?


電材コーナーで見つけました。
電気工事で、地面に打ち込むアース棒なんです(笑)
私、高校時代に電気工事のバイトをやってたもんで、よくコレを地面に打ち込んでましたよ。

地面に叩き込む用途なので、タダの銅の棒よりも硬くて曲がらないし、先端が尖らせてあるし、これってチェロのエンドピンの為に作られたとしか思えない!!
しかも800円くらい。

必要な長さにカットしたら完成って凄いですよね。

ただ、そのままだとチェロの内部にエンドピンが落ちてしまう可能性があるので、銅パイプをカットして作った輪をはめ込んでカシメて固定をしておきました。

長さがちょうど良くなって弾き易くなったし、音も少し良くなりましたね。
こっちの方が低音が出るし、高音域も綺麗になった感じ。
たった800円で、この効果はありがたい♪

 

 

 

 

それと、同じタイミングで弦も交換してみました。
それまで使ってた、CGスピロコア + DAヤーガー、これが何だか良いとは思えなくて。
世間一般では定番って言われてる組み合わせなので買ってはみたけど、ヤーガーが暗くてぼやけた音色なので、G線からD線に移った時の音色の変化が不自然で気にくわなかったのですよ。
なので、同じメーカーで揃えた方が良いのかな?って思いましたね。
メーカーだって、4本揃えて使う前提で開発してるのだから。
ただ、スピロコアのDAは絶対に使いたくないし。
特にAがキンキンした金属音が酷くて絶対無理・・・・・

ちょうどその頃、チェロ友達からダダリオのヘリコアに交換したら良いって話を聞いたので、値段も手頃だったから思い切って全部交換してみました。

 

なんか、見た目の高級感が良いね♪
肝心の音色だけど、同じくらいの値段でこんなに良い音が出るなら、断然コッチの方が良いです。
DAが素直で綺麗な音色で気に入りました。
ハイポジになっても荒れないし、上手くなったと錯覚するくらい。

CGはスピロコアの方が力強いけど、全体のバランスが取れているので、こっちが正解だと思います。
それと、全体的に細くて柔らかいから、押さえるのが楽でメチャクチャ弾き易い!!
これ、初心者に絶対おススメですね。
Aは怖いくらい細いから、巻き上げる時は毎回怖いのだけど、今まで切れた事が無いから細くても強度には問題無いと思いますよ。

 

 

 


あと、駒をフレンチからベルギーに替えたのが凄い変化でした!!


並べて比較してみると、結構違う形と大きさ。

鳴りっぷりも、見た目と同じくかなり違います。

とにかく音量が凄い!!
楽器との相性もあるだろうけど、どうやら古い楽器にはベルギー駒の方が鳴るみたいです。
たぶん、形よりも駒の重さが違うのが効いてるのだと思います。
古くて板厚が薄くなった楽器と軽い駒が合うのでしょうね。

交換して初めて玄関で弾いた時、音が大きくて家族みんなが驚いて部屋から出てきてしまったってエピソードがあるくらいなので。

そのくらい鳴るようになったのですよ。


用途にもよるので、どっちが良いかは使う人が決める事だと思うけど、私みたにソロ弾きする人には断然こっちが良いですね。
プロが使ってるオールド楽器にベルギー駒が多いが何となくわかりました。
世間ではベルギーの方が高級みたいなイメージがあるようですが、それは関係ないですね。
材料自体の値段は変わらないし、楽器との相性と用途で組み合わせが変わるだけの話なので。
友達に「ベルギー駒で激変!」って教えたら、調整に出した際にフレンチから交換したらしいのだけど、全然ダメで直ぐに元に戻したとか。
彼女の楽器だって30年くらい経ってるドイツのハンドメイドの奴なんだけど、もっと古くないとダメなのか相性なのか?
No.172は80年くらい経ってるし、メチャクチャ軽い楽器だったので相性が良かったのだと思います。
でも、実際にやってみないとわからないものです。
私は自分で交換出来るので気軽にトライ出来ますが、工房に持ち込んでお願いしたら3~4万円はかかりますから。



それにしても、チェロの調整って奥が深いですね。

駒、魂柱の位置、エンドピン、エンドピンストッパー、弦、ウルフキラー、松脂、弓の毛の違い、などなど・・・・・
色々な組み合わせの中から、自分の好みや用途に最適なセッティングを出す。

終わりが無いけど、上手くいくと演奏にも反映されるし、そこが面白い♪

 

 

 


この頃から、好みの音色にする為の工夫をあれこれやるようになりました。
おかげで、現在の修理や調整のノウハウが蓄積されて役立っております♪