散歩道

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のんびり ゆっくり 散歩道

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朝から雨が降っています。

たっくんは傘とカッパと長靴を履いて、

小学校に到着しました。

 


ヒマワリの葉っぱには

まぁるい水滴が乗っています。。



たっくんは大きな葉っぱの上の水滴を
そっと覗いてみました。

すると、

水滴の中には、


立派な服の王様が治める大帝国と

いくつかの小さな国があるのが見えました。



たっくんは とても驚きました。





2時間目が終わった中休みに、
理科セットの中から虫メガネを取り出すと、

たっくんは、大急ぎでひまわりの所に行きました。


 



虫メガネで、そっと水滴を覗いて見ると、

立派な王様が、家臣や民衆に話しているところでした。



「我々の正義のために、周辺の諸国を統一する!

 エイエイオー!!」




そして、大帝国からちいさな周辺の諸国に

兵隊達が規則正しく侵攻して行ったのです。






たっくんは、給食が終わると
直ぐにひまわりの所に行きました。

虫メガネに映った帝国は、
前よりも大きくなっていました。

 

けれども、王様と一部の貴族の笑顔の他には笑っている人はいませんでした。



それよりも、悲しい叫びが沢山響いていたのです。



たっくんは、「どうして仲良くしないんだろう?」


そればかり考えていました。



昼からは雨も上がり、
暖かな陽射しが降り注ぎはじめました。


放課後、



たっくんはランドセルを背負って下校する時に、

あの
ひまわりの葉の水滴を見に行きました。


そうすると、




お昼からの陽射しで、
たった何時間しか経っていなかったのに、

  葉の上の水滴も
  大帝国も
  周辺の諸国も
  王様も
  貴族も
  そして沢山の民衆も

 水滴と共に消えて

   何も残っていませんでした。





たっくんは、
この時の出来事を
いつか誰かに話さなきゃ!


そう思っているうちに

沢山の時が流れたのです。



「たとえ、その世界でどんなに勝利しても、

その世界は本当は儚いものかも知れません。

みんな仲良く笑顔で楽しく生きようよ!」




       水滴の中の大帝国でした。。。