娘の高校入学式のため、会社を休む。

地元の駅から発とうとしたら自動券売機が止まってた。
なんだか朝からやな感じしつつ到着駅で清算して新幹線キップを買う。
混んでるかなと思ったら結構空いてます。
いつも3列シートに座る、昔飛行機のチケットを取るのに教わったことで
確率的に、3列シートなら隣にヒトが座る率が少ない。
2列シートに先に座ってて、いつまでも混んできてもボクの隣に
誰も座ってこない、あの屈辱感ってあるよね。
3列ならあんまり気にしなくてすむでしょ。
朝のあさまは車内販売なし、まあ腹も空いてないので。
上田で桜満開、でも寒そう、天気予報は雪!
軽井沢のあたりでガスってきた、車内も混雑し始めた。
そろそろ上野に着いてからの、足取りをシュミレートしながら若干緊張。

上野に着く、駅のながーいエスカレーターを小走りに上がる。
焦りがなんとなく。
公園口を探してラッシュの流れに逆らって上野公園側に出る。
さっそくオペラかなんかのチケットを求める行列、小雨の中。
傘がないのでフードをかぶって早足で進む。
ときどき園内の「今ここ」表示を確かめつつ進む。
東京芸術大学をぐるーっと回ると目指す上野高校がある。
なんだか行列、動かず、正門前の記念写真の列だった。
並んで損こいた。
受付らしい受付もしないで体育館に誘導されて
6組なのを入り口で確認してたので言ってみるとそこには
ネネとババ。
やっぱいたかぁ的な安堵感もあり、でなければ素面でひとりきりだったもんね。
とにかくよくしゃべるわこのおばと祖母。

6組で女の先生だと二人が言うので、入場を目を凝らして見ていた、が
途中で何組なのかわからなくなってしまい、女の先生だからと注意してたら
実は「愛理」という名のおっさん先生で、見事に外してくれて写真撮り損ね。
式は粛々ち進行し、君が代を歌い、校歌を聞き、退場を録画して
PTAの注意事項を聞き流し三人で会場を後にする。
本来このあとは保護者懇談会で役員選びなのだ、がバックれる。
仕方ない、毎月上野には来たいけど来れない。

おばとババは先に帰った、クラブ勧誘の先輩らがひしめく玄関で
ボクはひとり娘の帰りを待つ。
そんな時に限って会社から電話が数本入る。
ほどなくして一人で娘が出てきた、玄関先で迎えた彼女は少し笑顔、そして
雨のそぼ降る上野公園の小道を二人、並ばずに前後して歩く。
娘は傘をさして勝手でスマホいじりながら
父親は傘を持たずにフードかぶってその後ろから。

「時間はないのか?」と3度ほど聞いてみた。

1度目は「あんまりない」
でもいったん帰って着替えてなんたらかんたら。

2度目は「ほとんどない」
待ち合わせが池袋で買い物もしたいので。

3度目は「ない」

上野駅公園口の信号が青から赤に変わろうとしてた。
促して走って渡った、「じゃあな、ここで」とオレは言った。
「ん、じゃあ。」と娘、改札を抜けて振り返りもせず。

大人の階段を足早に登っていく娘の姿を、ただじっと見送る。

これが年頃の娘と父親との自然な関係、なんだろう。
そう自分に言い聞かす。
思い直して電話かメールくれないかな?なんてヨコシマな考えがよぎるも
アメ横のアーチを足早に潜り抜け振り払う。

今日、ボクは娘を失ったのです。
彼女は父親離れしていきました。








母は今日3月7日で80歳になる。
傘寿だとさ、昔なら生きてる年じゃない。
80年もよう生きながらえたわ、えらい。
歯はあるし、毛もある。
病気も持ってない、美味しい美味しいってなんでも
食べられる。
特になんの不自由もない。
素敵な人生だ。

今までどんなに苦労してきたか
母は長々と話し続けた。
今の家を建てるにあたって、どんな心の
逡巡があったか話し続けた。
最後に家族みんながあの家に
寄って集まってくる、そんな未来絵を
描いて、それが私にとっての幸せなんだ
そう言って笑った。

もう何度も聞かせれてきた話だ。
でも今日は静かに聞くことができた。
オレもさ母ちゃん、もう2年もすると
親父が死んだ年になっちまうんだよ。
そんなこと言っても母ちゃんきっと
わからなくなってるんだろう。

むかしオレが小学生のころ
カレーを作って喫茶店をやるって
母ちゃん言ってたっけ。
あれ、なんで?って今日聞いたら
ジャスコの店長にやったらって言われて
居抜きでテナント用意されてたらしい。
家でカレー作ってそれを車で運ぶって
真剣に考えてたらしい。
母ちゃんオレさ、カレー屋始めようかって
思ってるんだ。
それは小さいときに母ちゃんがやりたいって
言ってたことと、親父がうどん好きだったから
カレー南蛮ってやつ、やりたいなって。
そしたら母ちゃん顔輝かせてさ
だからオレは言ったの。
「生きててくれなきゃ困る」

少しづつ気温は上がって
雪は汚く溶け始める。
明日は会社の朝礼当番、何話そう。

年齢が災いしてるのかなと思うことあり。
痰がからむのは、PM2.5のせいなのか
呑みすぎによるものなのか。
う・う~ん、う・う~んってがなってると
しゃっくりに移行するってパターン。

懸垂と腹筋トレは欠かさない。
晩酌も欠かさない、ブラックニッカと
いいちことふなぐち菊水と日々変わりばんこ。
麦とホップ赤は呑んだり飲まなかったり。

毎日作る弁当のおかずのきれっぱしが冷蔵庫にいくつか
溜まったのをつまみに休みの日酒を呑む。
湯豆腐の残りが野菜たっぷりのままあって、これが
野菜のうまみががっぽり出ててうんまい。
子持ちかれいの煮つけは今回ちょっとしょっぱかったかな。
甘口のふなくち菊水にはちょうどいい。

死はだんだん身近になってくる、素因はないが。
去年ジェイクさんが死んだ、今時期だった。
会社のお姉さんが死んだ、癌が見つかってあっという間だった。
年下の旦那が残されて、子供はいなくて、あいつはこれから
どうやっていくのかな。
シーナさんが死んで、鮎川誠さんはこれから
どうやっていくのだろう。
死にゆくってのは悪い気はしない。
それが生きる目的でもあるから、ひとは死ぬために生きている。
どうやって死を迎えよう、一人でか?
病気でか、事故でか、なら病気の方がいいな。
痛みさえ散らしてもらえたら病気を治す気はさらさらない。
そう思ってるけど、実際そうなったら
どうなんだろう。