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ソーシャル・ネットワーク

ソーシャル・ネットワーク観てきました!


【注:完全ネタバレ】





この映画は、世界最大のSNS「FaceBook」の設立から

爆発的なブームに至るまでの創成期を描いた映画ですが、

決して「サクセスストーリー」を描いているものではありません。

(創設者である主人公が事業的に成功しているのは確かですが。)


面白いのは、この映画を創るにあたって、

FaceBook自体からの協力は一切ないということ。

(観終わってから知ったんだけど。)

だから、FaceBookのプログラムがどうだとか、

細かな話はほとんど出てこず、

創設に関わった様々な若者の人間関係と、

成功と相反して付きまとう訴訟問題を中心に描かれています。


“世界のWEBコミュニケーションを変えた”SNSを巡る、

学生たちの創造性、友情、嫉妬、情熱、プライド、裏切りといった

あらゆる感情の交錯と、

作権・所有権やポストを争うブラックな現実が、

とてもユーモラスにアナーキーに描かれていて、

観る人を惹きこむ。


混沌とした世界観を映し出す構成とカメラワークは

すごくリズムがいいし、音楽が抜群にかっこいい!!!

FaceBookが目指した「Cool」がまさにぴったりな演出だった。


先日のゴールデングローブ賞で、

監督賞・脚本賞・音楽賞を取ったのはうなづけます。

エンターテイメントとして観ても完成度高すぎ。

すごい、デヴィッド・フィンチャー。


本編は、序盤でFaceBookリリースに至るまでの経緯を描き、

中盤以降は主人公を軸に起こった訴訟問題をベースに、

回想しながら展開していくんですが、ほんとにテンポがいい。

飽きる暇を与えない。


内容も、

製作側が「関係者それぞれの視点から客観的に映し出す」

というとおり、見事にいろんな視点が折り重なっている。

(ただ、共同創設者であるザッカーバーグとサベリンには

取材を拒否されており、実際にインタビューをしているのは

そのほかの関係者のようです。)


ザッカーバーグの天才ぶりにはただただ驚嘆しますが、

FaceBookの成功で5億人の「友達」ができて

大学生の中のカリスマになっても、唯一の親友を失い、

その親友から訴えられるという彼の「物語」は、

現代の皮肉でもあり、縮図だなぁと思いました。


まぁ訴訟のくだりをガシガシ描き出してるあたりは

さすがアメリカ映画というか。


キャラクターも良いです。

「GAP」のパーカーで登場するPCオタクの主人公とか、

いかにもうさんくさい起業家のショーン(ジャスティン・ティンバーレイク)とか

(最後までうさんくさかったし)、

ハーバードのエリート(でもそんなに賢くない)を

絵に描いたような双子とか(あれって1人2役みたいですよ!)。

めちゃめちゃわかりやすい笑


それぞれの視点で描かれているからこそ、

観る人によって共感ポイントが違ったり、

考えさせられる問題が違ったりと、

広がりのある映画だなと思いました。


まぁどうしても、

サベリンがあまりに哀れに描かれているので、

よりザッカーバーグが薄情な人間のように

見えてしまいがちですが、

個人的には、彼がパソコンに向かうラストシーンがすごくいい。


事業の世界的大成功と名誉、富の大きさに比例するような孤独感が、

そのときの表情ににじみ出ていて、最高の演技だった。


あのシーンで、ザッカーバーグはかなり救われているというか、

天才的で非情で利己的な経営者にみえていても、

本当はどこにでもいる感情を持った若い大学生の一人なんだ、

という側面を思い出させてくれる。

そのことによって、

彼が本当にほしいものはなんだったのか、

つまり、

容易に世界と繋がることができる現代のグローバル社会の中で、

人々が本当に求めているものはなんなのか、

ということを考えざるを得ません。



「ソーシャル・ネットワーク」必見です。