Tim Berneは嫌な奴だがこのライブ二枚組は凄まじい。僕をいわゆるアヴァンジャズやらインプロの世界に引き込んだのは、アカムーンに対する接近という触媒はあったにせよ、このディスク達だった。
この吹っ切れ具合に純朴な僕の耳はうたれ、巨大な知性の予感が僕の背筋を昨日までのそれにしてはおかなかった。

他の一般現代人に漏れず音楽マーケットにしっかりと足を浸しながら音楽を斜めに眺めていた僕は、まことに知的想像空間という役割を音楽芸術にあてがうことには抵抗があったし、またそういったある種、決意の動機となりうるほどに、は音楽を納得もしていなかった。が、である。だがその"啓示"は ——忘れもしない、それを響かせたのはポータブルCDプレーヤーに繋がれたイヤホンであった(!)—— あの頃の音楽倫理を御破算にするのには十分な破壊力を帯びていた。

…と書くとあれだけども要はティムバーンズサイエンスフリクションはカッコ良いよね!!って。
M‐Base派とか今のNYでの流派とか、関係性/影響の遺産はわきに置いとけば、このライブがピークだと思う。

それと聴く度に頭にはAka MoonのElohimが描かれちゃって、サイエンスフリクションはAka Moonの模倣だった説、つまり"デュクレがティムバーンという強烈な才能のもとで一時期のAka Moonを再演しようとした説(すなわちクレイグ・テイボーンはデノワ・ブルベックとして振る舞う!)"をひとり主張せずにいられない。
こんな論を保持する日本人は多分僕ひとりだけどwぜったい—そうだよ…ね?


Great!
マテリアルとしてはAka Moves?

やべーーーーー!!!こういうの聴くと宇宙がある限り音はやまないんだと、芸術は死なないんだと不思議な気持ちになる。人はずっと変わっていない。地球に響く音も変わらない。
ついこないだのキャンディーでのデュオ。こんな凄いもんを見れたのか・・・



高橋悠治のケージ。プリペアドピアノのためのソナタ。
この一曲で彼の天才が全てわかる、とは言わないが恐ろしくレベルが高い。
背筋が伸びて一音一音にゾクゾク、ビクビクしてしまう。

これまたすげー演奏。
John Butcherはリリースが多くて追いきれてないんだがやはり全踏破は必須か。
ただひとつ気になるのはMichel Donedaと比べてしまうと野性の嗅覚に欠けている。最近の音楽のアート化というのは身体性を伴わない部分があって、ずっと一抹の不安を感じているのだが・・・

俺はブッチャーをハイセンスな鳥と捕らえている。音の置き方、空間の埋め方、音による外世界への干渉姿勢がまさに鳥の鳴き方そのもの。最近フィールドレコーディングにおけるグラビティバランスの生成/変化などの圧倒的ドラマティックと、いわゆる楽器による音楽でのそれの落差にさびしくなっていたのだが、これは希望の見える演奏。
このデュオにもつつましやかなひとつの生態系、とそのドラマが見える。

John Butcherとクセナキスに当分はまりそう

関連動画"Alias"名義も。


こういう耳が震える程の才能との出会いは久しぶりかもしれない。
内向的な電子音響派の音に対する感覚、というのは欧州自由即興の試みと並べて語られるべき深慮さであると思う。広大なInstallationの世界が広がっているので、このあたりにピンときていない人はFenneszやKeith Rowe、中村としまる、を通過して、Anduin、Danny McCarthy、Murcofあたりを聴くといい。

にしてもエレクトロニカ/電子音響を通過した耳による即興の最近の拡散/肥大/濃縮の具合はすさまじいものがあるが、しかして為されるべきレベルでの議論は・・・ないな。
おっさんジャーナリズムの耳の遅さを示しているかもしれない。
電子音響テクスチュアの消化/噴出をともなう、最近の即興はほんとにやばい。

こちらはAnduin。http://www.thewire.co.uk/articles/3907/


かっこいい。微笑ましいような部分もちらほらあるけど、ポテンシャルは相当高い。
加速感や視野が、いかにもポスト商業ポップス氾濫期に揉まれながらティーンエイジを生きてきたって感じで凄くぐっとくる。
Machinefabriek(左)は外面はベタなエクスペリメンタルアーティストなのに、実は人間味溢れててよろしいです。共演者に流されやすい感じがある、というのもひとつ。

このビデオからはまったく分からないだろうが、Machinefabriekはミクロ的視座を極めつくした希有なミュージシャンだと思う。立ち上がる音を横から凝視しても、どこまでも鮮明で見通せない感覚。いや、どこまでも見通せてしまう感覚。マクロに見てきらきらした音(あるいはくすんだ音)を、聴取可能限界までミクロに見てもやっぱりビビッド、そんな圧倒的に深い音色に触れると海に包まれたようにとろけてしまうのだが、この音の保持者はほかに、Tomasz Stanko、Ralph Towner、jarle vespestad、くらいしか俺は思いつかない。シフは次点という感じ。この体験には良録音というのも半ば必要条件だが。
jarle vespestadが抜けた後のSupersilent最新盤まだ聴いてないな・・・まあもうSupersilentには飽きているけど。
そういえばTord Gustavsen Trio、あれは本当にすばらしい。世間には稼ぎ頭みたいな捕らえ方をされている様だが、あの演奏は本物だと思う。音数とかはまったく関係ないよ。Tord Gustavsen Ensembleみたいなのはいかにも最近のECMらしい駄盤というか、ふつーーのCDだった。最近のECMはめちゃくちゃわくわくするような大所帯バンド呼んどいて、ものすごくアベレージな演奏を平気でパックし続けている。
In Rainbows/Radiohead


リスナー側に自由に値段を決めさせるというネットダウンロード配給方式で話題になった(らしい)レディオヘッドの2007年盤。
次元の違う完成度。
極めて洗練されたバンドサウンドと、声に秘めた圧倒的な力が"詩"という求心力のコントロール/ブレンド/インタングルに成功し、昇華されたボーカル。

詩の声との絡み、というよりこれはもはや二分できない声に伴う音色(ソノリティ)のような感もあるが、の突き抜け。

you used be alright...
what happened?
etcetera...etcetera...

リスナーのそれまで巻き込むような情動が言葉に乗っかってるこの感じは、そうそう、ない。

こうも洗練されたノイズとストレートな志向性のメロディーが強く想起させるのが、まさにジャケ写、内部デザインそのものなのだからこれは嫌みと言うほかない。
彼らの視線が標題音楽といったものを軽く貫通してるのは明らかなのに、このコスモス、深海、飛びちったペンキ…それらのイメージが強烈に迫ってくる。ほとほと参ってしまう。突き放されたような感覚を味わう。

このリリースにともなう環境、情勢、その後の聴かれ方はDavid Sylvian "Blemish" のような1枚と言えるであろうが、これは聴いたものの心を確実に抉る。センシブルな耳をした若者がこの音盤をどう消化したのか非常に気になる。
Ok,Computerに比べ歴史的名盤という評価はあまりされていないようだが、これは間違いなくロックのモニュメント的役割を果たしてゆくことになる1枚であるとここに断言する。


レディオヘッドや小谷美紗子のことばが、極めて身体的で音が必然的に伴う音色のようなものに聴こえるこれ(もちろんラインの特色も含んでいるが)をジャズ的な歌唱による表現とするならば、ミスチルとビートルズ、ソニックユース(サーストン・ムーア)といった歌唱(声と詩の様相をさす)には違う軸、それも歌というカテゴリを大きく貫くような、が定義できるかもしれないとふと思った。
簡単に言えば言葉とメロディー間のアクセントの置き具合、ふたつの乖離ぐあい、音色か語感か、ということです。




この演奏はきれてるなー シャツからして『Bag It!』のプロモーションツアーだろうか。CDとは比べ物にならない。
Ingebright Harker Flatenのすさまじすぎるミュージシャンシップに目を見張る。

Paal Nilssen=LoveとKen Vandermarkのデュオツアーライブ録音がSmalltown Superjazzから出ている様子。こんなの出てたのか知らなかった。http://blog-shinjuku-jazz.diskunion.net/Entry/4794/
Smalltownレーベルジャズ部門もClean Feedに並んで注目。ホームページざっと見るだけで面白そうなのがずらり。『Immediate Sound』も良かったし。


うお、MEREDITH MONKの作品集がTZADIKから出てる。メモメモ。Meredith Monk: Beginnings/Meredith Monk




これも
ピルグリミッジ/オム






Lost in a Dream (Ocrd)/Paul Motian

聴いた新譜の感想でもちょこっと。まずモチアントリオ新譜、2009年ビレバンのライブ音源、これECMからだったんでどんな音像になってるのか気になってたんだがやはり面白い。ビレバンでこんな音を録ってくるとはいやはやなんとも。まあFollow the Red Lineの方が録音(ソリッドな方が個人的にツボ)も内容もいいけど。
ポッターのソロはさすが、というかやはりポッター、という感じだけれど化学反応はなし。
良くも悪くも予想通り。まだ1回しか聴いてないから印象は変わるかもしれないが。
正直ジェイソン・モランじゃなく、トライアングルのもうひとつの頂点にMat Maneri、あるいはプーさん、もしくはグレナディーア、ドリューグレスなんかを据えたほうがよかったかな。
というか全然キレていないんだ、アイヒャーの意向のせいなのだろうが、彼らのライブ音源でこれは・・・Winter&Winterからなら名盤になっていたかもしれないのに残念。

Highway Rider/Brad Mehldau

Brad Mehldau / Highway Rider
こちらも特に驚かない。実際にまだDisk1しか聴けてない。勿論、作品、ライブ共クオリティを相対視すればやはり最重要人物に違いないのだが最近のMehldauはどうなんだろう・・・ 俺の耳の偏向/変容のせいかもしれないがあまり耳がひきつけられない



逆に今はまっているのはこれ。かなり好き。無難な良演奏。
体が宙に浮く感覚を何度か味わえるCD。
Ravel: Sonate posthume; Tzigane; Enescu: Impres.../George Enescu

¥1,678
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それといまさらながらTony Malaby/Adobeの名盤っぷりに驚く。
これは凄い。Malaby新譜はまだ手に入れてない・・・
J.S. Bach: Goldberg Variations/Johann Sebastian Bach

¥1,678
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やっぱりこれは何度聴いても飽きない。
良すぎる。音から絶えずなにかが流れ出ている。そんな演奏。

まさに清流を見つめ、また見つめられているようなふわふわした気分になる。

シフはパルティータの方はピンとこない。また聴こ。


Atomic来日です。
個人的にはそれより一足はやく行われる、ニルセン=ラヴと八木美知依のライブ、ゲストは初日が坂田明、2日目がジム・オルーク、が気になる。いけないけど。

毎日拝見しているブログの方が"AtomicのPNLも凄いけど、個人的にはセッション時のPNLを知らずしてというのはもったいないと思う。ホントに凄いので。しかも相手が八木さんってのが、どちらもサディスティックな瞬間の持ち主だけに、かなりヤバイ予感。"と書かれている。
http://blog.livedoor.jp/tbr/
サディスティックな瞬間の持ち主とはよく言ったもので。まさにそのとおりだと思う。
八木美千代とIngebright-harker-Flaten、Paal-Nilssen=Loveのライブ盤@SuperDeluxはめったに出会えない超名盤だった。開始5分で昨日までの自分でいられなくなることを感じた。


そういえばPNLといえばJohn Butcherとのライブ、Clean Feed盤もすばらしかったな。

今聴いてるのはこれ
She Knows.../The Thing

¥1,981
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ディスクユニオン横浜で昨日捕獲した1枚。