Maica_nの日記

Maica_nの日記

Maica_nです!
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ある日の町田駅。


スタジオ練習を終えて帰ろうと改札近くの広場で電車の時間を調べていたら、少し離れたところでお揃いのTシャツを着たカップルらしき二人が向かい合って見つめ合っている。


あらら、と一瞬こちらが照れそうになったが、その後すぐに異変に気づいた。

ラブラブな視線を交わしているのかと思いきや、二人は終始真顔でそこには殺伐とした空気が流れているように感じた。


ん?何事?

調べ物をしながらも、私は目が離せなくなってしまった。

こうやってすぐに観察してしまうのは良いのか悪いのか…


騒がしい構内では何も聞こえなかったが(聴こうとするな)お互いほとんど無言で、時々ぽつぽつと言葉を交わしている。

他人には目もくれず行き交う人々をよそに、二人だけ時間が止まっているようだった。


遠くから見てるだけでも、さすがになんとなくわかる。

しかも片方が怒っているように見えるので、喧嘩か別れ話か、きっと気まずい話をしてるんだろう。

もしかして浮気がバレたとか?と一瞬思ってしまったのも、きっとゴシップ大好きな人間の心理。

そりゃ週刊誌も売れ続ける訳だ、となんか勝手に複雑な気持ちになる。


とにかく、こんなところじゃなくてもっと静かなところで二人きりでちゃんと話した方がいいのでは?とか、このままどっちか帰っちゃったらどうすんの?とか、脳内で余計なお世話を焼いていたら、奥からまた新たなカップルが手を繋いでやってきた。

そしてそのままそこにあるちょっとしたベンチに座ったと思ったら、これ見よがしにイチャイチャし始めた。


今にも凍りつきそうな視線を交わす向こうで、湯気が出そうなほど熱い抱擁を交わしている。

寒暖差で耳キーンなるかと思った。


なんだこれ。すごい光景。いや、むしろこれが社会の縮図?

誰かの幸せの裏には誰かの不幸がある的な…?

脳内で、宇多田ヒカルさんの「誰かの願いが叶うころ」が流れ出す。

こうなるともう完全に恋愛ドラマのエンディングに見えてきた。

静かに見つめ合う二人にも、きっと熱く抱擁し合った瞬間もあったんだろう。

お互いとても切ない表情をしてるように見えた。


すると一人が相手の手を取り、ゆっくり握りながら涙を流し始めた。

相手も嫌がることはなくそのまま握られた手を見つめていたけど、しばらくしてそっと手を離し、何か一言言い残してついにその場を去ってしまった。


あ…行っちゃったよ…

じゃあね?さよなら?ごめんね?ありがとう?

最後の言葉は何だったんだろう。


気づけばもう駅に着いて30分が経っていた。

目の前で繰り広げられる光景に目を奪われて、乗れるはずの電車を3本逃したけど、代わりにドラマのワンシーンのような瞬間を目撃した。


もしこれが本当にそうなら、この後の次回予告では、しばらく距離を置いていた二人の偶然の再会のシーンが、欲を言えば最終回では熱く見つめ合う二人が見たい。

現実世界ではそう上手くいかないだろうけど、取り残されて立ち尽くしている姿を横目に、私はただハッピーエンドを想像する。


気候がおかしい。

5月初め頃から突然暑くなって、え、梅雨は?と思ってたらしれっと梅雨が来て、んで割とすんなり去っていって。また日差しが本気出し始めてうわ夏来たわ〜と思ってたら突然の豪雨続き。からのまたまた溶けるかと思うほどの猛暑。異常気象。

地球温暖化が進みまくっているのを年々実感する。今でこれなら来月どないなるんや。恐ろしい。

水、ガス、電気、出しっぱなし点けっぱなしにしないとか、エコバッグとか、できることをやり続けるしかないなと気を引き締める。


温暖化には植物を育てるのも良いらしい。

だからというよりはただ好きだからという理由だけど、今ベランダでトマトを育てている。

夏野菜のイメージがあるし、実家にいた頃も夏になると必ず庭で育てていたトマトやきゅうりをよく食べていたので、一人暮らしになってもこうして採れたてのトマトが食べられるのは幸せ。


そういえば、小学校低学年の時にもトマトを一人で育てたことがあった。確か学校の生活という授業の一環で、自分で野菜の苗を育てるというものだった。その時も、いくつかある野菜の中で私はやっぱり大好きなトマトを選んだ。

最初は皆と同じように順調に育っていって、日に日に伸びる枝、花が咲いてついに小さく実がなり始め、早く大きくならないかと収穫を待ち侘びていた。

そんな時にちょうど大きな台風が来て、休校明けに苗を見に行ったら、一番大事な根元の茎の部分が直角に折れてしまっていた。

天候のせいだから仕方がないのはわかっているけど、こんなにポッキリいかれるとさすがにショックが大きかった。

すると私がしょぼくれてる様子を見かねた先生が、まだ完全に折れ切ったり千切れてる訳じゃないから、くっつけて補強してみよう!と、折れて倒れた枝を真っ直ぐに戻して補強し、わざわざ大きな花壇に苗ごと移動してくれた。

それからも先生と一緒に、もう一度元気になってくれますようにと願いながら水を上げ続けていたら、驚いたことに本当に折れた茎が繋がって、見事に復活を遂げた。

そんな私のトマトの復活劇はなんと学級新聞にまで載り、その後無事収穫したトマトも一つ一つ味わいながら皆で食べた。

これぞ食育である。

そして、何より根本からぽっきり折れてもめげないトマトの生命力には見習うべきものがあるなと思う。


そんなことを思い出しながら、また小さな苗に水を上げていると、大きく揺れる葉っぱの隙間から早く食べて!と言わんばかりに赤くなっている実が覗いている。君が今年の第一号やぞ。

触るとポロッと取れたので、少し拭いてそのまま口へIN。

ようやく今年も甘酸っぱく弾ける夏が来た。

猫がねずみを咥えている。

悪い顔をして嬉しそうにスタスタスタと路地裏へ消えていく。


お魚咥えた野良猫♪ ならぬ、ねずみを咥えた野良猫。

窮鼠猫を噛むという言葉があったり、イラストや絵本や物語や、なんとなく昔から猫とねずみがセットなイメージはあったけど、実際に追いかけている現場を目撃したのが初めてで、思わず、え、と声が出た。


猫とねずみと言えば、私の中で一番に思い浮かぶのはトムとジェリー。

この光景を見た時も、まさにあの2匹みたいだと思った。

小さな頃からトムにもジェリーにも沢山笑わせてもらったし、今観てもクスッと笑える。

作中ほとんど言葉も喋らないのに、国や世代を超えて愛されているのは本当に凄いと思う。


そして噂によると、沢山ストーリーがある中でも幻の最終回があるらしい。

悲しいことに最終回では、トムは自分の死期を悟ってジェリーの前から突然姿を消してしまう。

一方のジェリーはトムがいなくなったことで、追いかけられる心配もなく自由に過ごすけど、張り合う相手がいないことに段々と寂しさを感じるようになる。

そこでトムの代わりになるようなからかい相手を探してすぐに間抜けな猫を見つけるが、その猫はジェリーを見るなり豹変し、最終的にジェリーはその猫に食べられてしまう。

そこでジェリーはそれまでトムが手加減してくれていたことを知り、バカ猫のくせに生意気だ、と言い残して亡くなってしまう。

その後二人は天国で再開し、いつものように追いかけっこをするというハッピーエンド。

とてもざっくり言えばこんなお話らしい。

なんか、いやよいやよも好きのうちというか、喧嘩しながらもなんだかんだ固い友情で繋がってたんやな、と染み染みする。


目の前で咥えられたままぐったりとしているねずみを見て、ふとその最終回を思い出した。

君にもトムのような存在がいたんかな。

天国で再会できるとええな。


あくまでトムジェリはアニメだからリアルにそんなことはきっとほとんどありえないだろうに、咄嗟にそんなファンタジーな思考をしてる自分にも少し驚いたけど、そりゃ本当に猫がねずみを咥えてるとこ見ちゃったら、ね。

だから今日くらいは、アニメみたいなストーリーでも信じてみることにしようかな。


大人数での会話中に自分の発言が誰にも反応してもらえなかった時。



横一列に並んでいる時に、両隣の人が自分を挟んで話し始めた時。



知り合い程度の関係の人と話している時、相手の歯にゴミが付いていた時。



音楽を聴きながらスカした顔で歩いていたら何もないところで躓いた時。



駆け込み乗車した後息が上がっているのが恥ずかしくてわざとゆっくり呼吸しようとする時。



公共の場でトイレの鍵をかけ忘れて知らない人にドアを開けられた時。



お店にてお会計を済ませ、ありがとうございましたと言って帰ろうとしたら、別の店員さんにつられて、いらっしゃいませ〜と言ってしまった時。



新幹線で危うく寝過ごしそうになって、思わず割と大きな声でやっべ!と言ってしまい注目を浴びた時。



年下なのかなと勝手に思っていたら、思いっきり先輩だった時。



友達の家の犬に異常に吠えられる時。

これはシンプルになんで?



ちなみに全部実体験です。

思い出したくても思い出せない。

これほどまでに歯痒いことはない。


あれ、この曲ってなんの曲だっけ?

そういえばあの映画に出てた俳優さんって誰だっけ?

あれの名前、何だっけ。


誰しもが体験したことのあるシチュエーションだと思うけれど、こうなるともうきっちり思い出すまでずっとモヤモヤし続けることになる。

文明の利器により大抵のことは"ググる"ことができるこの時代に生まれて良かったと思う。


街中でもたまに、あれ?この人なんかどっかで見たことあるぞ?的な不思議な瞬間がある。

前にどこかで会ったことあるか、写真やポスターで見たことがあるのか、はたまた夢の中で会ったか…?前世で知り合いだったとか…??もしかしてあなたが運命の人なのか…???(メルヘン思考)

でもそういう時はすぐにすれ違ってしまうのとが多いので、その一瞬の面影を記憶の中で必死に探るけれど、残念ながらそれで思い出せたことは一度もない。


そして一番気まずいのは、相手は覚えているのに自分が思い出せない時。

「あ〜〜〜!」と手を振りながら近づいて来る見知らぬ人。てっきり他の人に対してかと思いきや、そのまま私へ向かってまっしぐら。

ポン、と肩を叩かれて満面の笑みで言われる、「久しぶり!」


へ?


時が止まりそうになるも、一瞬で状況を理解しとりあえず「こんにちは〜!」と満面の笑みで返す。

「あれ…い、いつぶりですかね…?」

何食わぬ顔で、以前会った時のことや相手がどんな人だったか、思い出すために一つでも多くの情報を会話の中で必死に探ろうとしているあの時間は、その辺のお化け屋敷よりもスリリングで汗をかく。

こういう思いをせめて相手にはさせないように、今後はちゃんと自分から名乗ろう、と今書いていて改めて思う。


余談ですが。そんな私は以前、先輩に「おはようございます!」と挨拶するつもりが、何度もお会いしているのに緊張でなぜか「あっ初めまして…!」と口走ってしまいめちゃめちゃ焦ったことがある(もちろん決して覚えていなかった訳ではない)

その時の先輩は私のそんな失礼にも「ま、初めましてってことにしとこうか!」と笑って和ませて下さったのでまだ良かったが、内心かなりヒヤッとしたのをよく覚えている。


記憶って不思議なもので、それ自体が何だったか覚えていなくても、五感や感覚だけを覚えていたりすることもあって、そんなプチデジャヴのような瞬間が割と好き。

そんな瞬間に出会うたび、今日のことをいつまで覚えていられるんだろう、とか思ったりもするけど、ただ日常の何気ない出来事もできるだけ長く覚えていたいなと思う。