大ちゃんの死で、いろんな事に
気付かされる。
大ちゃんが亡くなって、悲しいのは、辛いのは
わたしだけではないということ。
大ちゃんから見ていろんな立場の人がいます。
こども、親、兄弟、祖父、友達、職場の仲間。。。
義理の姉妹、親戚。。。
そして妻。
大ちゃんの死に関しては、誰もが自分以外の
人の気持ちを体験することはできない。
けれど、どの人にとっても、計り知れない程の
深い悲しみを背負っているのだと思う。
今日は、新美南吉さんのおはなしを紹介します。
『でんでんむしのかなしみ』
いっぴきのでんでんむしがありました。
ある日、そのでんでんむしは 大変なことに気がつきました。
『私は今までうっかりしていたけれど、私の背中の殻の中には
悲しみがいっぱい詰まっているではないか。』
この悲しみはどうしたらよいでしょう。
でんでんむしはお友達のでんでんむしの所にやって行きました。
『私はもう生きていられません。』
と、そのでんでんむしはお友達に言いました。
『なんですか』 とお友達のでんでんむしは聞きました。
『私はなんと言う不幸せなものでしょう。 私の背中の殻の
中には悲しみがいっぱい詰まっているのです。』
と はじめのでんでんむしが話しました。
するとお友達のでんでんむしは言いました。
『あなたばかりではありません。 私の背中にも悲しみは
いっぱいです。』
それじゃ仕方ないと思って、はじめのでんでんむしは、
別のお友達の所へ行きました。
するとそのお友達も言いました。
『あなたばかりじゃありません。 私の背中にも悲しみは
いっぱいです。』
そこで、はじめのでんでんむしは また別のお友達の
所へ行きました。
こうしてお友達を順々に訪ねていきましたが、
どのともだちも同じ事を言うのでありました。
とうとう はじめのでんでんむしは気がつきました。
『悲しみは誰でも持っているのだ。私ばかりではないのだ。
私は私の悲しみをこらえていかなきゃならない。』
そして、このでんでんむしはもう、なげくのをやめたので
あります。
悲しみだらけの殻に閉じこもらないように、みんなが
喜び、幸せで殻をいっぱいに出来るようにしていきたい。
大ちゃん。今日も気付きをありがとう。
ち~ん。