・・・金曜のドライバー・コメントを転記させていただいていたのですが、今週末は敢えてPIRELLIタイヤのことについて、記事を拝借させていただこうかと思っております。
今回のスペインGPより、従来”ハード・コンパウンド”と称されていたタイヤが、トレッド・ラバーの改良でより”ハード”なタイヤに化けて、週末各チームに供給されることになりました。
昨晩のフリー走行2の生中継で、元ベネトンのメカニックであった津川氏がコメントされていましたが、タイヤのコンストラクション(基本骨格)が変わったわけではなくて、トレッド面のラバーの性質が変わったと仰っておられました。
ですので、より”耐久性の高い”、”磨耗しにくい”ラバーに変わったと見なければいけません。
タイヤ寿命について、ラバーのグリップ力について、昨日のフリー走行終了後に各ドライバーから様々な意見が寄せられているようですが、PIRELLIのディレクターは以下のようなコメントを出しているようです。
ESPN F1トピックス から・・・
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スペインGP初日で各チームが試した新しいハードコンパウンドに批判の声も上がっているが、ピレリは新タイヤ投入の判断に自信を持っているようだ。
今週末のスペインGPに持ち込まれた新しいハードコンパウンドは、過去4戦に投入されたハードコンパウンドよりも10周ほど長く耐久するようにデザインされたという。しかしフリー走行2回目を終えたルイス・ハミルトン(マクラーレン)は、ハードタイヤではマシンのスライド量が多すぎるため、デグラデーションがより発生してしまうと指摘した。これについてポール・ヘンベリー(モータースポーツディレクター)は、チームによって経験したデグラデーションのレベルは異なっていると説明したうえで、今回のタイヤ選択が決勝レースでの戦略における多彩な選択肢を生むと述べている。
「遅くてグリップが少ないことは否定しない」と『Autosport(オートスポーツ)』に認めたヘンベリーは「しかし、ポジティブな面も見なければいけない。われわれはソフトタイヤとハードタイヤの性能差を設けることを求められた。ハードタイヤがソフトタイヤよりも1周か2周多く走れるだけでパフォーマンス上の不利もあったイスタンブールのようになってしまえば、戦略を組むことはできなくなる」と述べ、こう続けた。
「今われわれが見ているのはチームによって異なる状況だが、ソフトタイヤとハードタイヤの耐久性は10周から14周の差がある。いくつかのチームのタイヤの寿命はかなり長いが、それがどのチームかを言うつもりはない。というのも、彼らのレース戦略ではそれがとても重要になるためだ」
またヘンベリーはハードタイヤの摩耗度合いがソフトよりも遅いと述べており、結果としてチームにとってはライフをさらに長引かせる可能性もあるとコメントした。
「パフォーマンスの面では(2つのコンパウンドの差は)2秒と見込んでいるが、テストではそれ以上だった。しかしハードとソフトのデグラデーションレベルは大きい。ソフトのデグラデーションは1周あたり0.2秒だが、ハードは1周あたり0.1秒だ。だから、2つのタイヤのパフォーマンスはクロスすることになる。これによりハードタイヤが戦略の面でカギを握ることになるが、このようなことは過去にはなかった」
ルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ)とフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)は4ストップ戦略が主になると予想しているが、ヘンベリーは新しいハードコンパウンドの耐久性が増したことを考えると、デグラデーションが少ないいくつかのチームは1ストップ作戦を検討することもあると示唆。
「今晩データを見なければならないが、このことは誰かも検討すると言えるだろう。Q2敗退となったドライバーなら達成可能だ。不可能なことではない。誰かが2ストップにすることは想像できているが、4ストップになると言っている人もいると聞いた。私が持っているデータを考えれば、そうなれば驚きだ。絶対にハードを使わなければならないわけだからね。デグラデーションは1周あたりコンマ1秒だが、あるチームの20周の走行を分析するとコンマ1秒よりも少ないこともわかっている」
また今回持ち込まれたハードタイヤはマレーシアGPとトルコGPの金曜フリー走行でも供給されたため、なぜドライバーたちが今頃になって文句を言っているかわからないというのがヘンベリーの言い分だ。
「確かに違うタイヤであることは認める。大いに異なっている。しかし、なぜ彼らはマレーシアやイスタンブールで試した時に今回のようなコメントを口にしなかったのだ? それらのレースではそういったコメントを聞かなかった。おそらく、彼らは適切にテストしていなかったのかもしれないし、真剣に作業しなかったのかもしれない。マシンバランスを変えてしまうことは想像できるから、さらなる技術的挑戦になるだろうし、このことは今晩のデブリーフィングでも検討する。われわれが今の時点で与えられる唯一の情報は、間違いなくタイヤの耐久性が増したということと、ハードとソフトのデグラデーション差が大きくなったということだ」
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今までの4戦の流れとは少々違うレース展開になることが予想されます。