ESPN F1トピックス より『DRS(ドラッグ・リダクション・システム/可動リアフラップ)』に関する話題を二つほど・・・
Renaultのニック・ハイドフェルドとLotusのヤルノ・トュルーリのコメントです。
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ルノーのニック・ハイドフェルドは、人工的にオーバーテイクを増やす目的のドラッグ・リダクション・システム(DRS/可動リアウイング)について、積極的な推進派ではないと認めた。
DRSとは、前のマシンが1秒以内にいる場合、後ろのドライバーがリアウイングのドラッグを減らすことでトップスピードを伸ばし、オーバーテイクのチャンスを増やすというもの。しかし、レース中の使用はFIAが指定した1個所のストレートに限られており、一部でオーバーテイクの実行や予想が容易になりすぎるとの批判もある。前のマシンがタイヤのデグラデーションによってすでに不利な状態にあればなおさらだ。
「まあ、何でもそうだけど、使えば使うほど楽にはなるね。僕らは今、一番いいスイッチのポジションを見つけようと試行錯誤しているけど、トルコでは決まるはずさ」とハイドフェルドは述べた。「すべて順調だし、計画通りだよ。僕はリアウイングのファンではないけどね。レースを人工的に面白くしようという考え方は好きじゃないんだ」
「最大の違いはタイヤだ。リアウイングが使用可能でも、前のクルマのタイヤが同じレベルなら、オーバーテイクはまだ難しいかもしれない。それがDRSの当初の想定だった。でもタイヤがフレッシュだと、ずっと容易になるんだ。今年は今まで以上にオーバーテイクが増えていると思う」
シーズン前のテスト中に負傷したロバート・クビサに代わってルノー入りしたハイドフェルドだが、シーズンスタートは複雑な結果だった。マレーシアでは表彰台に上がったものの、オーストラリアと中国ではポイントを取れていない。だがこれからはもっとコンスタントに結果を出せるはずと彼は確信する。
「2月からすべてがあっという間だった。それは学習のプロセスがすごく短時間だったということだ。冬のテストの大部分に参加し、それからすぐに開幕戦に臨んだ」とハイドフェルド。「すべてを同時に完ぺきに動かすことは今も挑戦中の課題だけど、ほんの数週間のうちに築いたことを思えば、いい関係が出来上がったと思う。ロータス・ルノーGPの人々は本当にドライバーの乗りやすさを考えたクルマ作りをしてくれて、自信を与えてくれる。彼らは僕の、僕は彼らの声を聞き、それがチームの建設的な発展に役立った。僕はこのオープンな双方向のアプローチがすごく気に入っているし、楽しんでいる」
今後のアップグレードによって、トルコGPでマシンがコンペティティブさを取り戻せるよう願っていると彼は言う。
「最初の3レースではクルマの良さを証明できたはず。イスタンブールはヨーロッパラウンドの最初のレースで、僕らを含めて多くのチームがアップデートを用意しているから、面白くなるよ」と彼は述べた。「次もまた、いいパフォーマンスを見せたいね」
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今シーズン、ロータスのパワーステアリングトラブルに悩まされているヤルノ・トゥルーリだが、力を発揮するのはまだこれからだと主張している。
トゥルーリは2011年の予選でチームメイトのヘイキ・コバライネンにここまで3連敗しており、中国では彼の20秒遅れでフィニッシュした。
チームはT128を進化させており、スペインGPでの大幅アップデートによってポイント獲得を目指す。トゥルーリは彼の問題を解決し、その時に最大限のパフォーマンスを発揮できるよう願っている。
「今はまだ、自分のベストの状態にはほど遠い」と彼は『ESPNF1』に打ち明けた。「それほど大きな進歩じゃなくてもいいんだ。ほんの少しだけ、パワーステアリングが効いてくれればそれでいい。いずれこの空力アップグレードがうまくいけば、僕らは大きな前進を遂げるはず」
「今のところ不満があるのはパワーステアリングだけだよ。僕の思い通りに機能していないんだ。クルマの感覚がつかめなくて、思い切りプッシュしたり、クルマのポテンシャルをフルに発揮したりできる自信が持てないんだ。まずはマシンにもっといいフィーリングを得たい。それが最優先だ」
今年F1で15シーズン目を迎えているトゥルーリは、トラブルによって走る喜びをいくらか奪われていることを認めた。
「パワーステアリングに苦しんでいて、願ったようには楽しめていない。いくつかいいバトルができたことには満足しているけど、思うようにプッシュできないというのはストレスがたまるよ」
今シーズンはすべてのドライバーが摩耗の激しいピレリタイヤや可動リアウイングといった、マシンの大きな変化に直面している。タイヤが複雑な要素をもたらしたとトゥルーリは認めながらも、ピレリに対する批判ではないと強調した。
「おおむねポジティブなことばかりだよ。だって最初――テスト中――はタイヤのことがすごく心配だったからね。でも最初のレースから耐久性やパフォーマンス面でそれほど大きなトラブルはなかった」と彼は述べた。「タイヤがレースに刺激を与えたといっていいだろう。ただほかの要素ももたらしているから、以前のタイヤとの違いを学んでいる最中だ――だからパフォーマンスがこれほど上下するんだよ。これまでのところ、スポーツにとって良かったと僕は考えている」
一部ではレースを人工的にするとして好まれていないドラッグ・リダクション・システム(DRS)については、これもまたショーの改善に役立っており、ドライバーが不平を言っても意味がないと彼は述べた。
「確かに人工的だけど、タイヤとDRSが合わさってレースを面白くしているようだし、テレビで見ている人々には歓迎されている」と彼は付け加えた。「僕らにとっては少し違う。ドライバーの観点からすると、そんなにエキサイティングじゃない。ドライバーの腕とは関係ない部分があるからね。でもここまでのところは機能しているし、期待通りの効果を出している。ポジティブな変化なんだから、僕の好き嫌いを言っても仕方がない――レースがすごく面白くなっているのは事実なんだから」
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