ESPN F1コラム
より・・・
目立った動きといえば、ロバート・クビサのラリー中の事故によるニック・ハイドフェルドの代役指名ですが、その他は・・・やはりいくらの”資金”をチームに持ち込めるかが優先されていて、真のドライビングが出来るドライバーが不遇の状況になっていることでしょうか
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新シーズンの開幕が差し迫る中、まだ唯一、HRTだけが完全なドライバーラインナップを決定していない。2010年シーズン最終戦アブダビGP以降、現時点までに判明しているドライバーの入れ替わりを見ていく。
新加入/移籍
◆ジェローム・ダンブロジオ(ヴァージン)
資金力やコネクションを生かしてポジションを手に入れたドライバーの中でも、ダンブロジオは取り立てて他の候補者以上にチャンスを得るにふさわしい兆候を見せていなかったが、マネジメントを手がけるルノー代表のエリック・ブーリエが彼の邪魔をすることはなかっただろう。
【見込み:並の記録、並のマシン、相対的に無名の合図】
◆ポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)
テストドライバーだった昨季中に垣間見られた兆候に後押しされながらも、唯一の問題はフォース・インディアが2人のドライバーのどちらかを外す方法を見いだせるかどうかだった。ディ・レスタには2010年のDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)を制した実績と信用がある。同胞のジェンソン・バトンとルイス・ハミルトンのタイトル獲得について問われた際には「うぬぼれみたいに聞こえたら嫌だけど、彼らがチャンピオンシップに勝ったとき、僕は彼らと一緒にレースをしていなかった」と答えたディ・レスタ。ちなみに、いとこはインディカーシリーズで3度のチャンピオンに輝いたダリオ・フランキッティである。
【見込み:上達するだけのドライバーだが、活躍するシーズンが必要でもある。】
◆ニック・ハイドフェルド(ルノー)
異質な状況の中で、サプライズ復活を果たしたのがハイドフェルド。負傷したロバート・クビサに代わってのルノー入りだ。結局のところ、最近の経験しかり、立証された速さ、積み上げた実績を考えるとハイドフェルド起用が明白な選択だった。もしハイドフェルドが表彰台や優勝に挑めるのであれば、ザウバーの下積み時代に有望視されたにもかかわらず一度も応えられなかった期待に報いるべく、そのキャリアに弾みをつけることになるかもしれない。
【見込み:可能性として、とても競争力のあるマシンを手にしており、早急に順応できれば批評家たちの評価が間違いであると立証する絶好の機会になるだろう。
インドの自動車メーカー『TATA(タタ)』から、HRTが求めてやまない資金を手にレースドライバー就任。初のインドGPを控えていることから、すべては商機に関連している。正直、HRTのペースは2010年以上に遅れる気配がしているため、コリン・コレスは昨年、山本左近にしたのと同じように資金を取る方がいいのかもしれない。カーティケヤンは2005年に初のインド人ドライバーとしてジョーダンからF1デビューするも、必要な能力を有していたことを示すサインはほとんど見せられていない。今回のチャンスを得るまで、カーティケヤンにF1復帰の可能性があると言及されてこなかったのには理由があるのだ。
【見込み:HRTがドライバーとしての実績より資金力で相棒を選ぶようなら、後れを取らないことが唯一かつ真のチャンスだ】
◆パストール・マルドナド(ウィリアムズ)
資金力でシートを得たドライバーの一人。マルドナドの場合はベネズエラ政府の支援を受けている。2010年のGP2シリーズを制したのは確かだが、その一年前はパートナーだったニコ・ヒュルケンベルグに完敗した。その後、F1に昇格したヒュルケンベルグは数度の活躍にもかかわらず、マルドナドと交代させられてしまう。公に、ウィリアムズはマルドナドのペイドライバー説を否定し続けている。
【見込み:前任者の活躍ゆえにプレッシャーは高く、堅実な走りを見せる必要がある】
◆セルジオ・ペレス(ザウバー)
ニック・ハイドフェルドの後任としてはペーター・ザウバーのギャンブルではあるが、ペレスは昨シーズンのGP2をマルドナドに次ぐ2位で終えており、若干21歳。電気通信業の『Telemex(テレメックス)』から支援を受けており、ことによれば早すぎたF1昇格かもしれない。
【見込み:あまりに早すぎて経験不足のみが目立つ】
◆カルン・チャンドック(HRT)
2010年、ファンからの人気も高く、将来的な活躍が期待されていたものの、F1デビューにこぎつけた持ち込み資金の支援者が支払いを滞らせた結果、HRTのレースシートを失ってしまった。イギリスGP以降はチームに資金をもたらす他のドライバーがコックピットに収まり、チャンドックの出番はなし。プラス面を言えば、ロータスとリザーブドライバー契約をかわす見込みがあること。
【現状:博識で魅力的なキャラクターを持つチャンドック。レースドライバーならなおよしだが、メディアは彼の復帰を待っている】
◆ペドロ・デ・ラ・ロサ(ザウバー)
主にはテストドライバーとしてだが、10年以上を過ごすF1キャリアで、デ・ラ・ロサは計4チームから86戦に出走している。先ごろ40歳の誕生日を迎えたデ・ラ・ロサがすでにラストレースを終えているのは確実と見ていいだろう。
【現状:優秀なテストドライバーではあるものの、引退の可能性も十分にある】
◆ルーカス・ディ・グラッシ(ヴァージン)
ルーキーイヤーに目立った実績を残せておらず、彼以上に財力を持つ者が現れればポジションを追いやられる可能性は常にあった。1カ月ほど前には「決定が純粋に技術面で下されたのなら、僕はきっと残留できただろう・・・でも、金の方がモノを言うんだ」と明かしている。それでも、ディ・グラッシが自らの一貫性をチームにきちんと示せたとは言えない。
【現状:コツコツ交渉を進めており、F1に戻ってくるとすればテストドライバーとしてだろう】
◆ニコ・ヒュルケンベルグ(ウィリアムズ)
次世代を担うドライバーの中で、資金力より本来の能力を踏まえた場合、このリストに載せる名前としては最も残念なドライバーである。才能に溢れ、ウィリアムズでのデビューシーズンには何度か印象的な走りも披露したヒュルケンベルグ。ブラジルGPではウィリアムズに6年ぶりのポールポジションをプレゼントした・・・にもかかわらず、二流ドライバーと交代させられた。ヴァージンのオファーを蹴り、フォース・インディアでテストドライバーとして成長することを選んでいる。
【現状:近い将来、グリッドに帰ってくると期待されるドライバー】
プレシーズンテストの合間をぬって参戦したラリーでクビサが事故に遭遇した事実に、F1界は今なお動揺している。シーズン開幕の走りに期待が高まっていたルノーとクビサのコンビだけに、両者にとって災難だったと言えるだろう。
【現状:回復が早ければ、医師のゴーサインが出次第、すぐにもコックピットに復帰する見込み。復帰には5カ月から1年かかると見られている】
◆ビタントニオ・リウッツィ(フォース・インディア)
他者のミスによる度重なるリタイアに悩まされながらも耐え抜いた2010年を終えてなお、確保していたはずのシートに関するさまざまな憶測に苦悩したリウッツィ。フォース・インディアとは2011年末までの契約を締結していたにもかかわらず、気がつけばコックピットを追われていた。30歳にして63レースを戦い、ベストリザルトは6位。リウッツィの好機は過ぎ去ってしまったのかもしれない。
【現状:プレシーズンテストでHRTマシンをドライブし、レースシートを手に入れるのではないかともっぱらだ】
◆クリスチャン・クリエン(HRT)
2010年末近くになって、HRTを駆ってグランプリ参戦の機会を得る。3戦しか出走できなかったものの、それまでに走ってきたブルーノ・セナや山本左近は何だったのか、そんな疑問を引き起こすほどだった。しかし、持ち込み資金の限界により2011年のシートを確保できそうにはなかった。
【現状:スポーツカーの世界に戻るか、良くてもテスト作業だろう】
◆ブルーノ・セナ(HRT)
苗字が持つプレッシャーと燦々たるマシンの影響からブルーノは常に苦戦を強いられたが、完全に負け越したクリエンの登場により拍車がかかる。2011年はルノーのリザーブドライバーとして活動することが決まっている。
【現状:ルノーで二度目のチャンスが与えられた場合、チームを十分に印象づけられることを願うしかない】
◆山本左近(HRT)
500万ドルのスポンサーシップマネーの恩恵を受けてスポットライトの下に戻ってきた左近はグリッド後方でひっそりとカタカタ音を立てながら走り、資金が底をつくと再び日陰に戻っていった。
【現状:数百万ドルを投資する用意のある者を見つけられれば再びドライブする機会を得られるかもしれない】
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