「ん…っ、は、ぁ……
ふっ、んん……」
深くなっていく口づけと甘く漏れる吐息。
絡んでいく舌と引き寄せる細い腰。
やばい…
こんなにキスが気持ちいいものだとは。
好きなやつとのキスがこんなにも興奮してしまうものだとは。
それもこれもその相手が潤であるという揺るぎない事実。
しばらくの間キスに没頭していたせいか、徐々に潤のチカラが抜けていく。
それを支えようと潤の髪に指を差し込んだ。
ヒヤリとした髪の冷たさに崩れかけていた理性が働く。
体調の崩しやすい潤。
ここ何日か飲みに歩いていたはずだから、寝不足も重なってる。
ここで放置したら完全に風邪を引く条件が揃ってしまう。
「…ん、髪…先に、乾かそ…」
自分でもよく止めれたと思う。
欲望よりも潤の体調を気遣えた自分を褒めてやりたいくらいだ。
「もう、おしまい…?」
とろんと半分溶けてしまいそうな目が俺を惑わせてくる。
このまま進んでしまえばきっと欲のまま抱くことも可能かもしれない。
けど、明らかにまだアルコールの残る潤のことだ。
朝起きて記憶が曖昧になっている可能性も否めない。
お互いのためにも勢いだけでそういう関係になるのはいかがなものか。
真面目か!と言われるかもしれないが、何事もきちんとしたい性分なもので……。
「乾かしてやるよ。
ドライヤー持ってきて?
続きはあとでたくさんしよ…。」
「……うん。」
不満そうに唇を尖らせながらも、素直に頷く顔がホントに可愛くて、途中で止めた自分がバカだなぁって思うけど、俺達にはまだまだこれからがある。
今日は想いが叶っただけでも幸せだから。
「あ、ドライヤー自分でやる。
翔くん、シャワー行って。
新しい下着と俺ので悪いけどパジャマ置いてあるから。」
「いいから。貸して?」
ポンポンと脚の間を叩くと大人しくドライヤーを渡してきて、そこに収まる。
背後が苦手な潤の無防備な後ろから柔らかく風をあてていく。
こんなことできるのも俺だけが潤の特別だと実感できて嬉しい。
暖かな風に揺れるふわふわな髪。
潤の様子を覗き見ると、気持ちいいのか目を閉じながら、こっくりこっくりと船をこぎだした。
やっぱり眠いんだな……。
潤の髪を乾かし、俺はシャワーを浴びた。
先に寝ててもいいよって言ったら、待ってる!って豪語していたが、俺はわざとゆっくり潤の元に戻った。
案の定、抱き枕を抱きしめながら横たわる潤の瞼は閉じていた。
寝るつもりはなかったのだろう。
座った状態から転がった様に身が縮こまったまま横たわる姿が赤ちゃんみたいで可愛すぎる。
「翔くんも一緒に寝よ。」と言わんばかりにスペースを空けて端に眠る潤を後ろから抱きしめ、俺もベッドに身を沈めた。
「……ぅ……、ん……」
ぬくもりを求めて腕の中でくるんと寝返りをうった潤は再び俺の胸に顔を埋め、くぅっと寝息をたてる。
「おやすみ、潤…」
まだ今日という日は始まったばかり。
ひとつ歳を重ねた今日。
君が願ってくれたくれたように俺にはこれ以上ない幸せが舞い込んできた。
それはここにいる天使が運んできてくれた素敵なプレゼント。
一生大切にするよ。
おわり
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆
翔くんハピバ記念ですので短編でしたが、物足りなかったかしら?
なんせキス止まり←
翔潤の日も迫ってますので、それに合わせて少しだけ潤sideを。
更新は5日になると思いますが、
そちらもまたよろしくお願いします(*´︶`*)♡