翔side



「ん…、しょおくんっ…、ダメだって…風邪、移っちゃうよっ…」

キスの合間にやんわりと俺から逃げ出そうとする。

「うつんないよ。だから、もう少し…。」

力の入らないのをいい事に更に唇を寄せた。

「だから、ダメー!」

「ぐえっ!!」

あれ?なんで押し返されるの?
潤に思いっきり顔を両手で押されて、なんか変な声が出た。

「なにすんだよー。」

「だ、だって風邪ひいてるのにキスなんてしたら移っちゃうよ。」

「だから大丈夫だよ、俺は!」

「でも前にキスしたら、移っちゃ……あっ!」
慌てて潤が口を抑える。

「何?どういうこと?お前、誰かにキスして風邪移したの!?」
潤が?誰と?何でだよ!?
俺の知らない誰かとキスしたのかよ。
そう考えるだけでイライラした。



でも潤の口からは意外な答え…

「しょおくんなの…。
覚えてない?熱出て僕がプリント届けに行ったこと。」

あぁ、そういえば珍しく熱出したな。
あの時は潤とぎこちない時で、起きた時にはもう潤の姿はなかった。
ただプリントが虚しく机にあったのは鮮明に覚えてる。

「ごめんなさい…。その時、寝ているしょおくんにキス…しちゃったの。
そしたら次の日、熱出しちゃって…。」

キスすると本当に移るんだね。って、思い出してなのか、今熱があってなのか恥ずかしそうに頬を染める。


そんな顔すんなよ…!
俺、もう、我慢の限界…!!


再び潤の腕を掴み、今度は初めから深く口づける。

「んっ、ん、ぁ…、、」

潤の口内に舌を差し込んで、舌を絡める。

確かに熱があるんだろう。
熱い…潤の中は熱い…。


じゃあさ、今度は俺にその熱を移せばいい。

そう思いながら潤を感じていた。