翔side



今日は部活が休みの日で助かった。
部活があっても仮病で休んでやろうかと思ってたけどさ。

「翔さん!」

下駄箱でニノに呼ばれる。

「あの、これ今日のプリント。
潤くんに届けてもらえます?
行くんですよね?」

なぜ、それを!?

「くくっ!だから翔さん、わかりやすいんだってば。
そんなに慌てて帰ろうとするなんて。」

そう思うなら、もう行かせろよ!

「翔さん、潤くん病人なんですからね。」

意味ありげに念押ししてくる。
そうやって潤の事になると俺を牽制してくる。

「わかってるっつーの!」

「ならいいんですけどね。
数日後に翔さんが寝込まないといいですけどー。」

くっそ!相変わらず生意気なー。

「もういいか、行くからな!じゃあな!」



潤の家に向かいながらもう一度考える。

おかゆ作るにしても、家で作ってった方がいいよな。
潤の家の台所を勝手に使う訳にはいかないし…。
まあ、いいや!
とりあえず先に行って、様子を見てくるか。


ピンポーン…

インターホンを押すと、しばらくして

「は、い…しょお、くん…?
今、開ける…。」

か細い潤の声。
もしかして、相当ヤバいのか?

ガチャっと玄関の扉が開くと、ふらりと潤の身体が揺れて、俺にもたれ掛かる。


「しょおくん、来てくれたんだぁ。」




潤は熱を出してるんだ…。
潤は具合が悪いんだ…。


そうわかっているのに潤独特の甘い香りと熱のせいかいつもより遥かに甘ったるい声。

扉が閉まると同時に甘い唇に誘われるように潤を抱きしめ口付けた。