潤side



な、に…。

何が起こったの…?

今まで味わったことない感覚。
知らなかった快楽。


乱れる呼吸を落ち着かせると同時に放心状態で動けない。


しょおくんはヘッドボードにあるティッシュを手に取るとお腹に散らばる熱をキレイに拭いてくれた。


「潤?大丈夫か?」

動かない僕を覗くようにしょおくんが至近距離で聞いてくる。


ハッ!!

気づいてみれば僕はまだパンツも履いてない!

「やっ!見ないで!」

恥ずかしい!恥ずかしい!

手を伸ばした先の布団を頭から被る。



ぎゅーっ!!

布団ごとしょおくんが抱き締めてきた。
息苦しくて堪らず布団から顔を出すと、しょおくんがめちゃめちゃニコニコしてる。

「潤!最高!嬉しい!」

「嬉しい…?あれが?」

僕は恥ずかしいだけなんだけどな。
確かに気持ちよかったけど…。



「潤…俺達一緒にイケたよ。
気持ちよかったでしょ?
一人よりも何倍もいいや!」

「い、く?」

「そう!出たでしょ?
初めてだったか。そっかぁー。」


普通に会話してるけどそういうものなの?

自分の体。
こんな風になるんだ。


「ね、また、やろうな!」

「今からそんな約束できないよ。」

「いーや。またやるよ、絶対な!
だって、潤、エロいもん。
俺が我慢出来ないし。」

「もう…。じゃ、聞かないでよ。」


恥ずかしいけど、実はちょっと嬉しいかも。
覚悟を決めてきたのに進めなかった。
翔くんは僕の気持ちをわかってくれて、進まなかった。
翔くんを受け入れられなかった自分が情けなくて。


けど、まさかこんな方法があったとは…。
マンガに載ってなかったし…!
あぁ、当たり前か。
女のコのマンガに載ってる訳ないよな。


あ!今何時!?
時計を見るとあと5分くらいで翔くんの誕生日が終わりそうだった。



「あー!まだプレゼント渡してないー!!」

まさかエッチがプレゼントなんて、できないことも考えて、別に用意してたんだ。

誕生日のうちに渡すんだった!

起き上がって慌ててリュックに手を伸ばす。
と……

「うーん。いい眺め。
かわいい、おしり♡」


えっ?

いやー!!

「見ないでー!パンツどこー!!」

しまった…履いてないの忘れてた!


ドタバタとベッドの上を探して見つけると、すぐ様パンツを履く。

その間も翔くんにはしっかり見られてしまって…もう最悪…。


「あー、履いちゃった。」

「履くよ!当たり前でしょ!」



とにかく、そんなこと言ってる場合じゃない。
誕生日終わっちゃうよ。
改めて座り直す。

「翔くん、お誕生日おめでとう。
ずっとそばに置いてください。」

プレゼントはペンケース。
ネイビーに赤いラインが入った落ち着いた色を選んだ。
学校でも使えるように。

「ありがとう。
ずっとそばにいるからな。
これからも…ずっと…。」


プレゼントに?
僕に?


ぎゅっと抱きしめてくれる。
優しくキスをしてくれる。


「じゃ、寝よっか。」

「そうしましょうか。」


ひとつの布団にくるまり、一緒に眠る。



幸せな…とても幸せな…
翔くんの誕生日が過ぎてゆく。










君に出会ったから
翔くんの誕生日

END