潤side



僕は決めたんだ。

しょおくんの誕生日にそれを決行する。




「翔くん!お誕生日おめでとう!!」
「ありがとうございます。」
「今年は潤ちゃんちもいるから、賑やかねー。」

「おめでとう、しょおくん!」
「ありがとう、潤。」

しょおくんがまたひとつお兄さんになった。
出会ってまだ一年も経ってないけど、背も伸びて、スポーツマンでどんどん男らしくなっていく。


家族でしょおくんちにお邪魔して、しょおくんのお誕生日会と題した食事会が始まる。
クリスマスの時と同様に親同士もすっかり仲良しだから、お酒も進み盛り上がる。


今日はちゃんと泊まる支度もしてきた。
クリスマスの時のように帰る必要は無い。
朝までしょおくんと居られるんだ。



「ねぇ、潤?顔、赤くない?
もしかして、熱あるんじゃないの?
泊まるの大丈夫なの?」

急に母さんから言われてビクッとした。
色々考えているうちに恥ずかしくなってきて、確かに顔が熱い。

「な、ないよ。大丈夫。
母さんと父さんこそ、そろそろ終わりにしないと明日お酒残っちゃうよ!」

「そうね、じゃあ、そろそろ行きましょ。」


母さん達が玄関で話しているのをしょおくんも見送る。
しょおくんはうちの両親からおめでとうとイケメンなお兄さんになったとか何度も言われて、照れていた。
うちの親もすっかりいい気分になって帰って行った。


「さ、潤ちゃん、お風呂入ってきたら?」

「ううん。片付け手伝います。
お父さんとしょおくんからどうぞ。」

「ホント潤ちゃん、いいお嫁さんになるわー。
男のコにしとくのもったいない。」

「えへへ。光栄です…。」

女の子じゃないけど、しょおくんのお母さんは嬉しそうにしてくれるから、ま、いっか。

後片付けをしょおくんのお母さんと一緒にやって、その間にしょおくんもお風呂に入る。
そして、僕も。




しょおくんの部屋に入ると、初めて泊まったてキスをした日、クリスマスの日、二人で抱き合った時のことが蘇ってくる。


女の子じゃないからマンガのようにはいかないだろうけど、大丈夫だよね。

よし!


イスに座って様子を伺っているしょおくんを通り越し、ベッドに横になって目をつぶる。


深呼吸をして…


「しょおくん、よろしくお願いします!」