「・・・分かりました・・・そもそもその悪魔退治が私達の仕事ですから・・・」
哀願するリサにクロスは優しく微笑む。
「そうそう!!クロス様に"浄化"できなかった悪魔はいないんだから!!!」
アイリスは力説と言わんばかりにリサに語る。
「リサさん・・・これまでの悪魔に関する経歴を教えてくださいませんか・・・??」
クロスの言葉にリサはクロスの瞳を真っ直ぐに見つめ、口を開く。
そうあれは昔からだったかもしれない・・・
父と母、そしてリサはアリスと1人の兄を含め三人兄妹、5人家族だ。
この家族は裕福で誰もが羨むほどの笑顔耐えぬ幸せな生活を送っていた。
2年前、母が死ぬまでは・・・
母が死んでからの家族は前の家族生活とは明らかに変わった。
あれほど優しかった姉は母を失った悲しさを紛らわさす様に男や金でよく遊ぶようになり、
兄は母の居なくなった家族には嫌気が刺したのか職を見つけそのまま逃げる様に家を出て行き、
あれほど明るさが表面上にでていた妹はだいぶ防ぎがちになってしまった。
しかし父は妻を亡くした事の悲しみを乗り越えたかのように子供達を支えた。
その父の支えが子供達に少しだが元気を与えていた。
・・・だが1番かわってしまったのは父かもしれない・・・
父は母を亡くした事によって誰よりも深い闇を作っていたんだと思う。
「少しずつ父が可笑しくなっていたんです・・・そして2ヶ月前ほどのある晩のことです・・・
私は夕食ができたと父を呼び出しに部屋に行きました。
だけど父がいるはずの部屋をノックしても応答はなく私は可笑しいと思い部屋のドアを開けました。
すると
父は黒い影にその身を覆われていました。
「う・・・うぁあ・・・」
部屋には父のうめき声が響いていました。
その黒い影は父の口から出ている白いモノを貪る様に"食べていました"
私はその姿が恐ろしくなりドアを開いたままひっ!と腰を抜かしてしまったかのようにその場にしゃがみ込んでしまいました。
その黒い影は私に気がついたのかドアの向こうにしゃがみ込んでいる私を見てにやりと口内に垂らしているよだれを見せ笑いました。
その姿はまさに 悪魔 でした。
私はその姿に更に恐怖を感じ、そのまま意識を失ってしまいました。
私は気がつくと朝になっていて自分のベッドの上で眠っていました。
私は昨晩のことは夢だと思い、ホッとしました。
だけど私はその日の朝食の席に出た父を見てアレは現実だと確信しました。
父は一気にドッと衰えており顔は傷だらけでした。
私は父のその姿を見ると心が痛くなりました。
しかも父は更に日に日に衰えていく。
何故お父さんがこんな目に遭わなくちゃいけないの??
どうしてお父さんなの??
私がお父さんを助けてあげたい。
だけど私じゃ何もできない。
何も力になれない・・・
私は父をあの酷い悪魔から助けてあげたいんです・・・だけど私の力じゃ何もできない。だから・・・お願いです、力をお貸しください・・・」
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