いや、厳密にはまだ終わっていないのだが、ボールを預かった私が自らゲームセットを切り出そうとしている。
「俺ら、別れた方がいいと思う。どう思う?」
そう言われてから一日中食事が喉を通らず、ここ何年も風邪を引いたことのない自分の思いがけない脆さに苦笑い。
話し合いたいのに、電話は拒否、LINEは未読で対話ができないのがもどかしい。
彼のことは好きだ。
でも私は頑固だから、きっと、自分が大切にしてきたものを尊重してくれない人とは付き合えない、と思う。
好きな人の為なら、できる限りの努力もするし、力の限りサポートしたいと思う。
けれども、自分が大切にしてきたものは、例え彼氏であっても絶対に譲れない。それを譲ってしまえば、私は、ただの彼の付属品でしかなくなると思うから。私自身の価値は、私が譲れないものに支えられていると思うから。
「価値観の相違」。便利な言葉だ。
それが原因で別れるなら、それはもう仕方ないと思う。…と、この期に及んで、そういう冷静さを保ってしまうあたり、私は恋愛に向いていないんじゃないかと思ったりする。
きっと、こういう時に形振り構わず泣いてすがれる女こそが、あなたの為なら何でもするわと言える女こそが、恋愛勝者として生き残っていくんだろうなー。
