手ぬぐいを集めるのが趣味だった時、
現代的なものも
伝統柄もどれも魅力的で
たくさん買い求めました。

その年限定の柄はたくさんあり、
もう入手できない柄があることを知ると
地団駄踏んでいました。

どうしても欲しかった「町屋のサンタ」…


そして、
「使う」ということができずに
飾ってばかりいました。 
季節を大切にして
丁寧に暮らす
素敵暮らしに憧れていたのです。


素敵暮らしに疲れて足を洗い、
手ぬぐいがタンスの肥やしになる頃、
どうにかできないかと思い、
夫のハンカチにすることを思いつきました。

父がそのようにして使っていたのです。
〇〇タクシーとか開店祝いとかの
粗品手ぬぐいをハンカチにしていました。

使ってみたら、洗ってもすぐ乾き、
面積が広いから汗かきパパでも大丈夫。
汗の匂いもこもらない。
もうタオルハンカチには戻れない
使い勝手の良さ。

飾っていた時はわからなかった
手ぬぐいの素晴らしさ。


あんなに季節にこだわっていたのに、
夫の胸で
秋に桜を咲かせる花咲か爺さん
夏に豆まき鬼退治
ハロウィンに鯉のぼりがたなびいています。

それでも飾られたり、しまわれたり
しているよりずっと
手ぬぐいの柄もピチピチいきがよく
元気に跳ねまわっているようです。


よかったことも
悪かったことも
抱きしめて、手放して、
今ここにある時間が
優しさで満たされますように。