料理の前の食前酒は口当たりが良く美味しかっ
た。ワインも聞かれたけどお互い何がいいのか
分からないのでおすすめでお願いした。


本格的なコース料理は申し分無くどれもとても
美味しかった。

「後はデザートで終わりだね」
「何か確かにめちゃくちゃ美味かったし景色込み
で凄いけどみんな談笑程度で静かだから喋るのも
気を使うな」
「確かにそうだね。僕らってさどう見えるのかな?
やっぱ兄弟とかかな」
「他の奴らがどう思っていようがそんなのどうでも
いい」
「しょーちゃんらしいね」

そこにケーキが運んできてしょーちゃんのお皿
にはチョコでHappybirthdayって書かれていた。

「えっ?こんなのも頼んでくれたの?」
「寧ろそういう事にも対応してくれるお店探した」

マジか...って言いながらも嬉しそうにしてくれて
いる顔を見て写真撮るからケーキこっちに向けて
って言うと恥ずかしいじゃんとちょっとごねてい
たけど記念に僕が残したいからって言うと渋々撮
らせてくれた。

「そうだ。忘れるとこだった。誕生日プレゼント」

と言って紙袋を渡す。

「開けていい?」

僕が頷くとしょーちゃんはそれを見てこれって...

「そう。しょーちゃんの産まれた年のワイン。本当
は聴診器とかも考えたんだけど...凄い種類があって
何がどう違うか分からなくて」
「雅紀から貰える物なら何でも嬉しい」

またそんな可愛い事言っちゃうしょーちゃんは
ある時は強くて、でも弱い部分もあって。
そんなとこが大好きだからそこだけは大人に
ならないでって思うのは僕のわがままかな。