2学期に入ってからの時間の流れは早くて気が付けばもう秋と冬が交わる季節になっていた。

寒いね何て言いながら塾から駅に向かって歩いていた。

「しょーちゃん…」
「ん?」
「もし…ね。通う大学が別になっても浮気しないでね」
「ハハハ。何だよ、それ。」
「もう~本気で心配しているんだからね!」
「雅紀こそ浮気すんじゃねーぞ?」
「俺はしないよ!」

しょーちゃんは全然分かってないんだ。

「どこから来る自信だよ」
「しょーちゃんは自分でもわかってないと思うけど‼️かなりのイケメンだし、大学行っても絶対モテモテになるの分かってるもん‼️だけど…誰にも負けないぐらい俺、しょーちゃんの事大好きだからね!」
「雅紀、すげー嬉しいけどさ。そんなデカい声で皆に聞こえてんぞ」
「……あっ……」

自分でも分かりやすく顔が真っ赤になるのが分かった。

「笑ってないでもっと早く教えてよ‼️」
「だって雅紀がそんなに俺の事好き好き言ってくれんのに止める理由何かないじゃん」
「……しょーちゃんのバカ‼️」

自分の言った事思い出したら恥ずかしくて急ぎ足で歩いた。

「待てって」

腕を掴まれ速度を緩めた。

「万が一別の大学に行く事になってもさ、2人の時間を1番にしたらよくね?」
「……可愛い子にサークル誘われても入らないでね」
「入らねーよ。雅紀こそ押しに弱いとこあんだから気をつけろよ?」

押しに弱いって……確かにしょーちゃんがぐいぐい来るタイプじゃなかったら好きになってないかも知れない。

「そんな心配よりまずは一緒の大学行けるように頑張ろうぜ」
「うん……頑張る」

そう言って冷たくなった手をしょーちゃんの手に絡めた。