前回の話



Sーside

相葉くんが行ってしまった後
俺たちは暫く動けずにいた。


しばらくすると斗真が自嘲気味に
「俺ら何やってんだろな。」

すると、潤が
「翔、わりぃ。お前は最初から乗り気じゃなかったし、純粋に仲良くなっただけだろ?」

「同じだよ。結果、相葉くんを傷つけた事は変わりないし。」
相葉くんの静かな怒りと悲しそうな
顔が頭から離れない。

すると、斗真が
「最初はさ、確かに面白半分で近づいたのは事実だけど、何だろな。相葉くんの楽しそうな顔見るだけで俺まで嬉しくなってさ。」


俺もそうだった。相葉くんといると
楽しくて、何気ない事も輝いて
見えたんだ。

「俺たち本当にバカなガキだな。」
潤は吐き捨てるように言った。


「もうさ。相葉くんは俺らの事許してくれないとは思うけど、さっきの相葉くんの顔がさ……。とにかく聞いてくれるか解らないけど謝らないか?」

斗真の言う事はもっともだけど
俺はあんな顔した相葉くんを前にして
ちゃんと謝る事なんて出来るだろうか?