みなさん、おばんです。
オカマの警備員カマちゃんこと鎌田ミノルは、ヒトデの航海師アルアル・トンプソンがナビゲートするダイオウイカに乗って太平洋を沖縄へ向かっておりました。
カマちゃんは、満天の星空に抱かれて、ジョンの夢をみておりました。
真っ白いシーツが敷かれたキングサイズのベッドに素っ裸で横たわるジョン&カマちゃん。
ジョンはカマちゃんの短いを髪をなで「おでこ、広くなったね」と耳元にささやきます。
カマちゃんはジュワっと股間を蒸気させ、尻を突き出しジョンに背中を向けました。ジョンはそのまま、加山雄三風に言葉を継ぎます。
ジョン「いやーぼかーねー、ゆめがあるんだー。そのゆめはねー、欧米の帝国の植民地支配からのアラブの民の解放と、ムスリムのためのムスリムによるパレスチナ国家の建国なんだー。人種は問わないよー。敬虔なイスラム教徒、つまりねー、純粋な平和主義者なら、誰でもいいなー、そんな人達と美しい国をつくりたいなー、いいだろ?」
カマちゃんは股間から蒸気を発しながら、小さく頷きました。ジョンは相変わらずカマちゃんの短い髪をなで「頭頂部、透けてきたね」と耳に息を吹きかけながら、ささやきます。
カマちゃんは「しんぼうたまらん!」と掛け声を発し、ジョンの心棒を後ろ手に握りしめ自身のバックヴァギナにインサートしようと試みましたが、ジョンに拒絶されました。
ジョン「ラブ&ピースに、セックス&ドラッグは必要ないよ」
カマちゃんはジョンを振り返り、顔を真っ赤にさせ「じゃあ、どうして、わたしをこんなとこに誘ったのよ!おもわせぶりにもほどがあるわ!ベッドインしたら、ヴァギナインするにきまってんでしょ!」
ジョン「平和のベッドインだって言ったじゃんか。しかも、こんな大勢の人の前で、セックスできる?」
カマちゃんは、ハッとして、周りを見回しました。なるほど、何人もの人がカメラを構え、マイクを突き出して二人にコメントを求めていました。
カマ「ごめんね、ごめんね、ジョン。わたしが間違っていたわ。赦して。お願い。わたしを嫌いにならないで」
ジョン「うん。キミを嫌いになることはないけど、その、口からはみ出てる、金魚の尻尾みたいなのは、ちょっと気になるかな」
カマちゃんはびっくりして、自身の口元に手をやりました。魚のぬるっとして手触りがあり、驚いて悲鳴を上げたところで、目を覚ました。
口元からレラ・サンが顔を出し、寝ぼけまなこのカマちゃんに、こう言いました。
レラ「大丈夫。あなたの夢は、わたしの夢でもあるのよ。わたしをジョンのもとに連れて行ってくれたアカツキには、ジョンに、あなたを永遠に愛する夢を見させてあげるわ」
カマ「ほんとうに?ほんとにほんと?」
レラ「ウソはつかないわ。わたしは金魚よ」
カマ「けど、あなた、ジョンに、なんのために会いにゆくの?」
レラ「サーカスに会うためよ」
カマ「サーカス?キノシタとかキグレとか?」
レラ「まあ、そんなとこよ」
カマ「そうか。そういうことね。サーカスに出たいのね。あなたら、きっと、高く買ってくれるわ」
レラはカマちゃんの言葉の意味を瞬時に解析し、とんだ勘違いをさせてしまったことを後悔しながら、カマちゃんの口から喉を通過し胃の中へ潜っていきました。
カマちゃんは、ジョンに会える日のことを思うだけで胸がいっぱい、お腹もいっぱいみたいな感じで、つまり、夢の力によって、もう何日も食べ物を口にしていない状態でも元気でした。
レラ・サンの能力、人間の潜在能力を引き出し超人的な力を発揮させることによる効果なのでしょうが、まったく空腹を感じません。が、しかし、髪の毛が抜け、皮膚ははがれ、骨が浮き出てきました。レラ・サンの能力をもってしても、エントロピー増大の法則に抗うことは出来ません。何故なら夢は食べられないからです。
そのうち、昼間の航海時、カマちゃんは海面に『叫んでないムンクの叫び』を目にしたとき、感情が動かないほど衰弱していたのでした。
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